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第317回 自己診断ツールについて考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 世の中には自己診断ツールと呼ばれるモノが数多くあります。キャリア理論においても古くから「キャリア・アンカー診断」「ホランドの六角形(RIASEC)」などがありますし、近年で「CADS & CADI」などがあり、本当にたくさんのツールが存在しています。

 一応、私もキャリコンですのでこういったツールの使い方は理解しているつもりですが、実際のキャリコンにおいてほとんど(というか全く)これらのツールを使ったことがありません。それは、ツールの効果に対する懐疑的な部分というより、自己診断ツールをキャリコンに結び付けることに有用性を感じていないからでした。

 しかし、そんな私が最近ある自己診断ツールの勉強をしています。それはその診断ツールを使う必要性に駆られているからなのですが、深く勉強をする中で分かってきたことがありました。そこで今回は自己診断ツールから思うことを書きます。

■自己診断ツールとは

 一般的に自己診断ツールといえば、いくつかの質問に答えることで、その人をある「型」に分類し、その型の傾向や特徴を理解し、それを活用していこうというモノです。ここまで仰々しく考えなくても、私たちは普段から自己診断ツールのようなモノを日常生活の中でやっています。血液型診断などはその一例ではないでしょうか。

A 型...真面目
B 型...マイペース
0 型...おおらか
AB型...性格が読めない

多少の異論はあると思いますが、概ねこのようなこのようなイメージではないでしょうか。こういったイメージを「型」として当てはめ、

「あの人B型なんだよねー」
「あぁ、分かるわぁ」

そんな会話を聞くことは1度や2度ではないと思います。自己診断ツールもその延長で、人を何かしらの「型」に当てはめて、その中で人を評価、判断しようとします。勿論、その「型」は様々な研究や理論に基づく客観性のあるモノであり、私も「型」に当てはめる行為そのものには論拠はあると思っています。

 ただ、「型」に当てはめることが本当に必要なのかといわれると、正直な所「?」なんです。。。

 例えば、ある人が自己診断ツールで「専門家・エキスパート・職人タイプ」という「型」に分類されたとします。それを見て、その人が、

「へぇー、自分ってこういうタイプなんだぁ...」

と思うことはあるかもしれません。しかし、その先には何があるのか? まさか、

「そうか!自分は専門家や職人が向いているのか!なら転職するか!」

などとはならないと思うのです。つまり「型」を知った後にどうするのか?その答えが私の中で明確にならないので、使うにも使えないのです。。。

■「型」に当てはめるのではなく...

 しかし、冒頭でお話ししたように、現在ある自己診断ツールを使わなければならない状況になってしまったため、ちゃんと自己診断ツールのことを学び直そうと考え、自己診断ツールについてじっくり腰を据えて学んでいます。

 その中で分かってきたのですが、自己診断ツールは人を「型」に当てはめるモノではないような気がしていました。勿論、「型」に当てはめないと先に進まないので分類はするのですが、「型」に当てはめてその人を見るのではなく、どうすればその人の行動を変えることができるか?といった視点で見るようにしてみたらどうかと思うようになってきたのです。

 少し分かりづらいので、先ほどの血液型の例を使うと...、

「あの人はB型なんだよねー」
「それなら、あの人にはある程度仕事を任せてしまった方がパフォーマンスが上がるかもね」

のように、その「型」が相手の行動を変えるきっかけできないか?と思うようになったのです。

 実はこういったことを私たちは普段から行っています。例えば、職場に気難しい方がいた場合、私たちはその人を「気難しい方」という型に当てはめ、どうしたらその人が気持ちよく動いてもらえるか?それを考えて行動することはあると思うのです。つまり、私たちは普段から人を「型」に当てはめ、その中からどうすればうまくコミュニケーションが取れるかを考えて行動しています。

 恐らく、自己分析ツールもそれと同じような使い方をすることができるのではないかと思いました。

 自己分析ツールについてはこれからもっと学びを深めていこうと思いますが、また何か新しいことが分かったらこの場で報告させてもらいます!

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