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第307回 自分の実力を発揮する「場」を持つこと

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 先日、1級キャリアコンサルティング技能士の結果が出ました。去年に続き今年も不合格だったのですが、少し進歩もありました。そこで、今回は受検結果から思うことを書きます。

■1級キャリアコンサルティング技能検定の結果

 1級キャリアコンサルティング技能検定は過去のコラムでも書いていますが、キャリアコンサルティングの技術レベルの認定する技能士試験の一種であり国家資格に分類されます。一般的に1級は指導レベルと呼ばれ、他のキャリアコンサルタントの指導や支援(スーパーバイザーとも呼びます)の役割を担います。

 1級の今年と去年の合格率はこのようになってました。

2017年度 学科:29.14% 実技:5.52%
2016年度 学科:53.41% 実技:8.27%

 学科は5択の問題が50問出題され、35問以上正解で合格となるので試験自体は相対評価ではなく絶対評価なのですが、それでも合格率が3割を切ったということは、単純に問題自体の難易度が上がったと推測されます。

 また、実技は論述試験と面接試験共に60点以上で初めて実技試験合格になるのですが、実技試験を受検された他の方の話によると論述の採点が去年より更に厳しくなっている傾向があるようで、総じて2017年度は学科、実技共に難しくなったような感じがしています。

 で、私の結果は...といいますと、

学科:52点
実技:論述 56点
   面接 64点

と面接試験には合格していました。また、論述試験も後4点で合格だったこともあり、惜しい結果だったみたいです。ちなみに、去年はこのような結果でした。

学科:52点
実技:論述 53点
   面接 51点

学科は全く手を付けていなかったので納得の結果ですが、論述+3点、面接+13点と実技試験の得点がアップしており、昨年から今年にかけて取り組んだ対策が功を奏した結果になりました。

■何をやっていたのか?

 実は去年の結果が出た後、どのような対策を取れば実技試験がに合格できるのかがわからず、途方に暮れていました。去年も自分なりに実技試験の対策を考え取り組んできたつもりですし、実技試験の感触も決して悪くなかったので、袋小路に入ったような感じになっていました。そのため、3~4カ月ほど技能士試験のことを忘れて普段の生活を送っていました。

 ただ、腐っていても仕方がないので、やれることをやろうと開き直り、もう一度自分の学んできたことを棚卸ししてみました。また、スーパーバイズといって自分のやり方を他のキャリアコンサルタントの方に見ていただきご指導をいただくこともやってみました。

 その結果、少しずつですがキャリアコンサルティングの「指導」の本質が見えてきたような感覚になってきました。今までよりも広い視点で物事を捉えることができるようになってきた感覚に近いかもしれません。今までは狭い視点で「指導」をしていたのが、「キャリアコンサルティング」という広い視点での「指導」に変わっていったような気がします。

 また、指導の仕方にも変化が表れてきました。キャリアコンサルティングの指導は相手との関係性を非常に重視します。そのため、私は相手との関係性を崩さないよう、言葉を選び、相手を傷つけないような配慮をしながら指導をしていました。しかし、それだと相手に対して言いたいことが言えず、指導がうまく行かない(=相手の納得感が少ない)ことが起こっていました。そこで、ある時から他の著名な指導者の方が実践されている「物事をハッキリ伝える指導」に替えてみました。それが功を奏したのか、指導が形にガラッと変わってきたような感じになりました。

 その中で分かってきたのですが、相手の顔色を伺うような指導をしているようでは、端から相手との関係性など築けていないということに気づきました。それからは、本当の意味で指導のための関係性を築くためにどうした振る舞いをすべきかを考え、行動ができるようになってきました。

 多分、こういったことが1つずつ実を結んだのが今回の結果だったと感じています。

■自分の実力を発揮する「場」を持つこと

 ただ、私の中で一番効果があったと感じたのは、自分の実力を発揮する「場」を持つことでした。どれだけトレーニングをしても、それを発揮する場がなければ実力がついたかどうかは分かりません。そのため、私は自発的に自分の実力を発揮する場に出るようにしてみました。

 特に1級や2級のトレーニングにおいてはただ講釈だけを述べるのではなく、実際にキャリアコンサルティングや指導を他の人の前やってみせることを心がけました。また、積極的に他の人からフィードバックをいただくようにもしました。その結果、どのような場面においてもある程度安定した指導ができるようになってきました。恐らく、それが今回の面接試験の合格に繋がっているのかもしれません。

 どんなことでもそうですが、できるかできないか分からないことに挑戦するのは勇気がいることです。少し前に行われていたオリンピックの選手を見ていても思いましたが、彼らだってオリンピックの舞台に立つだけでも相当な勇気を奮い立たせているのではないかと思います。しかし、そういった場に立ちチャレンジされるからこそ、その先の結果がついてきたのではないかと思います。

 だから、結果が欲しければ、自分の実力を発揮する場に積極的に出てみる。そうして、失敗しても良いから自分の力を発揮してみる。この繰り返しが「実力」となってその人に備わってくる。それが望む結果を手に入れることに繋がるのではないかと思います。

 最初はずいぶん遠くに見えた1級キャリアコンサルティング技能士も手中に収められるところまで来たように感じています。来年こそは合格できるよう、これまで以上に頑張っていきたいと思います。

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