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第297回 スキルの習得方法について考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 最近、キャリアコンサルタント試験の面接試験対策を担当させていただくことが増えてきました。俗にいう面接ロールプレイ(RP)ですが、面接RPを担当させていただくと相手の特徴や癖、傾向がみえてくるのでそれをお伝えさせてもらっているのですが、難しいと感じる方が結構おられます。そこで、今回は面接RPからスキルの習得方法について考えてみたいと思います。

■面接RPとは

 面接RPとは面接を仕事にする職業(カウンセラーやキャリコンなど)において、疑似的に面接業務を行うことを指します。カウンセラーやキャリコン系資格の場合、実技試験で面接RPが行われる場合もあります。また、面接業務のトレーニングの意味合いもあります。そのため、キャリコン系資格を目指す人は必ずといっていいほど面接RPを行いスキルを磨きます。

 面接RPは面接をする人(キャリコンやカウンセラー役)、面接を受ける人(クライエント役)、その2人を傍観する立場に立ち、面接をする人に対する感想や意見を述べる人(フィードバッカ―役)に分かれて行われます。面接の時間はマチマチですが概ね10~30分程度の時間を使い、実際の面接業務を想定して行われます。当然のことですが、面接RPは面接をする人(キャリコンやカウンセラー役)のトレーニングですので、面接RP後は面接をする人に対するフィードバックが行われます。このようにして、面接技法のトレーニングを行っていきます。

■面接RPの難しさ

 実際にやってみると分かりますが、面接RPは難しく感じます。それはただ単に話を聴くだけの面接とは違い、面接RPには目的があるからです。例えばキャリコンの面接RPでいえば、クライエント役と信頼関係を構築し、その上でクライエント役の考える問題を把握し、そこからキャリコンが考える問題を導き出します。そうして、クライエント役と合意ができる問題点を明確にした上で目標を定め、具体的な方法(方策)を考え、実践に導くことをが求められるからです。面接RPの時間にも拠りますが、時間が長くなればなるほど、クライエントとの関係構築、問題把握、目標設定、方策実行へと話を進めていかなければならなくなります。

 私たちは普段あまり深く会話について考えることはないと思います。相手の話に反応し、自分の話を伝えることに注力します。しかし、面接RPには面接全体をコントロールしなければならないため、会話の流れを把握し、どのような流れで進めていけばよいか、会話の戦略を立てなければなりません。また、相手との信頼関係を構築するための会話(傾聴)が必要になりますし、どのような言葉を使えばよいかを、会話をしながら選ばなければならないスキルも求められます。さらに、面接試験では面接RP後に試験官の方との口頭試問といって面接RPの内容について質問される時間があります。そのため、自分の面接を客観視し、できたことやできなかったことを把握しておくスキルも求められます。これらのことから、面接RPをやってみると全く何も喋れなくなったり、頭が真っ白になってしまい、何を話したか分からなくなる人も結構おられます。それだけ、面接RPは難易度の高いトレーニングです。

■スキルの習得方法を考える

 しかし、実際にキャリコンやカウンセラーをするためにはこれらのスキルが絶対に必要になります。それでは、どうすれば面接技法のスキルを身につけることができるのでしょうか? 結局のところ、何度も何度も繰り返して行い、自分の癖になるまでやり込むしかないように思います。また、自分ならどうするか、自分ならどう解釈するかといったことを常に考え、それを表現する方法を模索する。こういったことを地道にコツコツ繰り返すことで、そのスキルを少しずつ自分のモノにするしかないのです。私個人は何千回も面接、面接RPをやってきましたが、こうやって面接スキルを習得してきたと思っています。そして、これからもこの方法でスキルを習得していくのだろうと考えています。

 また、このようなスキルの習得方法は何も面接RPだけの話ではありません。プログラミング言語にしてもそうですし、ツールの使い方などでもそうです。最初に何度も何度も使い込み、自分の癖になるまでやり込んでみる。そして、自分ならそのプログラミング言語やツールをどのようにして使うか、自分なりの方法を考え模索し、それを表現する努力をする。その繰り返しが、やがてその人のスキルになっていくのではないでしょうか。

 そう考えると、スキルの習得方法はとても簡単のように思えます。しかし、この簡単なことを続けることが最も難しいことなのかもしれません

 スキルの習得する術を正しく理解し、地に足をつけたスキルの習得を目指すならば、ある程度のスキルは習得できるように思えます。だとすると、私たちにはまだまだたくさんの可能性が秘められていると感じずにはいられませんでした。...ということは、まだまだ頑張れる余地があるってことなのでしょうね。。。

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