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第277回 7つの習慣のススメ2 -パラダイムと効果性の原則2

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こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 先週よりスタートした「7つの習慣のススメ」シリーズの2回目です。今回は7つの習慣の土台となっている「パラダイムと効果性の原則」について、7つの習慣がどのようにして私たちの効果性を高めてくのか? その仕組みをご紹介していきたいと思います。

■人格と個性

 コヴィー博士は「成功」に関する文献を過去200年に渡って調べたそうです。最初の150年(過去150~200年)は主に「人格」について書かれていました。そこには誠実、忠実、勇気、思いやり、貢献、責任感、正義といった原則をいかに身につけていくかということに重きが置かれており、これを「人格主義」と表されました。そして、直近の50年は「個性」について書かれていました。そこには個人の能力を高めることためのテクニックなどに重きを置かれており、これを「個性主義」と表されました。

 よく能力が高くても人格が育っていない人は成長が足りていないと表現されることがあります。表面的なテクニックやイメージに目を向ける個性主義に生きる人は、しっかり根を下ろしていない木のように見た目は良く見えるかもしれませんが、ちょっとしたことで倒れてしまうような脆さを持っています。それに対して、原則に目を向ける人格主義は見た目こそ派手さはありませんが、しっかり根を下ろした木のようにそう簡単に倒れることはありません。

 7つの習慣では自分の内なる人格を成長させることに力を注ぎ、そこから次第に実である個性を育てるようにしていきます。これをインサイド・アウトと呼びます。

■成長の連続体

 この人格を成長させるために、7つの習慣では「成長の連続体」という考え方があります。

 成長の連続体は人間の成長のプロセスを表しています。人間は最初、「依存」という他の人に頼る、自分の価値や安心感を他の人から与えてもらわなければならない状態にあります。そこから成長することで「自立」の状態になります。自立とは自分自身に責任を持つ、自分の将来を選択し、それを実現できる人のことをいいます。この依存から自立に至るプロセスを「私的成功」と呼びます。

 そして、自立から次の段階である「相互依存」は自立している人同士が協力し創造性を発揮し、一人で達成できることよりもはるかに大きなことを成し遂げる状態です。この自立から相互依存に至るプロセスを「公的成功」と呼びます。

 依存から自立に至る私的成功には、第1の習慣である「主体的である」、第2の習慣である「終わりを思い描くことから始める」、第3の習慣である「最優先事項を優先する」という3つの習慣の実践によって実現することができます。

 そして、自立から相互依存に至る公的成功には、第4の習慣である「Win-Winを考える」、第5の習慣である「まず理解に徹し、そして理解される」、第6の習慣である「シナジーを作り出す」という3つの習慣の実践によって実現することができます。

 最後にこれら6つの習慣を包括するための習慣として第7の習慣である「刃を研ぐ」という習慣があります。このように、依存から自立に至る私的成功、自立から相互依存に至る公的成功といった2つの成功によって人格を成長させるプロセスが成長の連続体であり、それを実現するための具体的な方法として7つの習慣があります。

■See-Do-Getサイクル

 7つの習慣ではSee-Do-Getサイクルというフレームワークに則って行われます。See-Do-Getサイクルは過去のコラムでも紹介させていただきましたが、このようなモノです。

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 そのときのSee-Do-Getサイクルの説明を引用します。

Seeとはパラダイムのことで、その人のモノの見方や価値観を表しています。そのパラダイム(See)をベースに人は次の行動(Do)を起こします。行動を起こした結果、結果(Get)を得ます。その結果から、再びパラダイム(See)を強めていくというフレームワークです。

 7つの習慣ではこのパラダイムに着目し、原則に基づいた効果性の高いパラダイム(See)を考えます。そこから効果性の高い行動(Do)を実践することで効果性の高い結果(Get)を得るようにしていきます。7つの習慣の1つ1つの習慣はすべてのこの流れで作られています。

 ここでは私たちが普段から持っているパラダイムをどうすれば効果性の高いパラダイムに変えられるか? がとても重要になってきます。そのための考察は過去のコラムにも書きましたが、私たちが自分のもつパラダイムを効果性の高いパラダイムに変える「パラダイムシフト」を起こすことが理想ですが、それができない場合、パラダイムを変えなくてもよいので、まずは効果性の高いプラクティス(Do)から実践してみる。そうすることで効果性の高い結果(Get)が得られ、そこから自然にパラダイムシフトに繋げていくことができるようになっていきます。


 ここまでで7つの習慣の土台となる考え方をご紹介いたしました。これで、7つの習慣のお話をさせていただく準備が整いました。次回は依存から自立に至る私的成功の最初の段階である第1の習慣「主体的である」についてご紹介させていただきます!

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