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第262回 その仕事、いつやりますか?

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 社会人である以上、必ず何かしらの仕事をしています。その量は人によって違いますが、ただ1つだけの仕事を延々し続けている人は少ないのではないでしょうか。私も仕事柄、常に複数の仕事を掛け持ちさせてもらっております。そういったときに気にしなければならないのは、仕事を行う順序です。どの仕事をいつまでに仕上げれば良いのか? 仕事の納期を守るために、仕事の順序を考え、効果的に仕事をしようとします。その考え方は人それぞれだと思いますが、今回は私なりのやり方をご紹介したいと思います。

■どうやって仕事の順序決めをしてますか?

 例えば、あなたに2つの仕事が入って来ましたとしましょう。1つは緊急度が高い仕事、もう1つは重要度が高い仕事です。さて、どちらから仕事を始めるでしょうか? 恐らく、大半の人は緊急度が高い仕事から始めるのではないでしょうか。重要度が高くても緊急度が低いのであれば、先に緊急度が高い仕事をやってしまった方が良いと考えるからですね。この考え方は一見すると正しい考え方のように思えます。実際、私もこのような考えで仕事をしていた時期がありました。

 しかし、この考え方はある前提に基づいています。それは「緊急度>重要度」です。この前提に基づく限り、緊急度が高い仕事は最優先で行わなければならない仕事になり、重要度は二の次ということになってしまいます。

■時間管理のマトリックス

 しかし、この前提条件を崩し、すべての仕事を緊急度と重要度の組み合わせて考えてみるとどうなるでしょうか。これは7つの習慣の第3の習慣にある「時間管理のマトリックス」という考え方ですが、すべての仕事を緊急度と重要度で捉えるとことのように分類されます。

  • 緊急度=高い、重要度=高い
  • 緊急度=低い、重要度=高い
  • 緊急度=高い、重要度=低い
  • 緊急度=低い、重要度=低い

 これをそれぞれの領域に分け、「緊急度=高い、重要度=高い」を第1領域(Q1領域)、「緊急度=低い、重要度=高い」を第2領域(Q2領域)、「緊急度=高い、重要度=低い」を第3領域(Q3領域)、「緊急度=低い、重要度=低い」を第4領域(Q4領域)と呼びます。そして、Q1領域を必須の領域、Q2領域を価値の領域、Q3領域を錯覚の領域、Q4領域を無駄の領域と呼んでいます。これらを表で表すとこのようになります。

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 この時間管理のマトリックスに倣うと、Q1領域はどうしてもやらなければならない仕事ですので、ここに分類される仕事は最優先でやらなければなりませんが、問題はQ2領域とQ3領域です。Q2領域は緊急度は低いが重要度が高い、Q3領域は緊急度が高いが重要度が低い、さて、どちらを優先するべきでしょう。

 Q2領域は今すぐやる必要はないけれど、必ずやらなければならない仕事です。例えば、未来の仕事に対する準備、人間関係の構築、リスク対策などが考えられます。対して、Q3領域は今すぐやらなければならないけれど、必ずしもやる必要がない仕事です。こちらは、ただ呼ばれるだけの会議、形式ばった仕事などが考えられます。Q3領域の仕事は慣例的に定められている仕事が結構あり、これを重要と錯覚していることがあります。そのため、Q3領域の仕事は見直すことで仕事を減らすことができる領域でもあります。

 つまり、Q2領域とQ3領域では仕事の優先度から考えると「Q2領域>Q3領域」になることが理想です。

■その仕事、いつやりますか?

 私の場合、新たに仕事を請けると、その仕事を時間管理のマトリックスに分類するように癖づけています。その中でも特に意識しているのがQ2領域とQ3領域です。Q2領域ならば意図的に前倒しでスケジューリングするようにし、Q3領域ならば仕事の必要性を依頼主と掛け合うようにしています。そうすることで、Q2領域を増やし、Q3領域を減らすように心がけています。

 ただこれは傍から見ると我がままを言っているように見えるかもしれません。しかし、それは慣例的な仕事に縛られている人から見える視点であり、何より複数の仕事を請け持つ側から言わせてもらうならば、やらなくて良い仕事は極力減らし、やらなければならない仕事に集中したいです。このように考えて仕事をさせてもらっていますが、お陰様で今のところはトラブルなく仕事を行うことができています。

 仕事の優先度を見直すことは仕事を効果的に行うことにも繋がります。まずは仕事を優先度と緊急度の視点で捉えてみてはいかがでしょうか。

Comment(2)

コメント

abekkan

図のQ1とQ4が逆では?

キャリアコンサルタント高橋

abekkanさん、


ご指摘ありがとうございます!
緊急度と重要度の「高い」「低い」が逆になっていました(汗
失礼いたしました。。。

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