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第249回 会話での「違和感」について

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 先日、コーチングを指導していた際、ふとしたことからコールド・リーディングの話になったので試しにやってみたところ、案外うまくいきました。そのときのコールド・リーディングは傾聴をベースにした独自のモノで、会話での「違和感」を使いました。そこで今回はコールド・リーディングから会話の「違和感」について書いてみようと思います。

■コールド・リーディングとは

 Wikipediaによるとコールド・リーディングが以下のように定義されています。

コールド・リーディング(Cold reading)とは話術の一つ。外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術である。「コールド」とは「事前の準備なしで」、「リーディング」とは「相手の心を読みとる」という意味である。(Wikipediaより)

 これだけを読むとちょっと訝しい感じがしますが、このようなことも書かれています。

コールド・リーディングは、詐欺師・宗教家・占い師・霊能者・手品師などが、相手に自分の言うことを信じさせる時に用いる話術である。しかし、その技術自体はセールスマンによる営業、警察官などの尋問、催眠療法家によるセラピー、筆跡学や筆跡診断、恋愛などに幅広く応用できるものであり、必ずしも悪意のある技術とは言えない。
たとえ相手に対する事前情報が全くなくても、コールドリーダーは相手の外観に対する注意深い観察と、コールド・リーディング特有の話術によって、いくらでも相手の情報を掴むことができるのである。対象者への観察力や会話の説得力、相手に与える安心感・信頼感...などが必要であり、高い技術と経験が必要になる。

 私がコールド・リーディングに注目したのは今から10年以上前になります。当時、私が使っている4Sコーチングの理論を研究していた頃、傾聴をコーチング目線で捉えたときに、どのように表現するのが最適かを考えていました。当時(今もそうですが)、私がコーチングで傾聴をする際、相手の注意深く観察し、相手の言葉、仕草、感情を捉えるようにしていました。

第73回 コーチングのススメ6

 このとき、言葉や仕草は見聞きすることで捉えることができますが、感情だけはどうしても想像、イメージの域を超えることができません。しかし、言葉や仕草から推測される感情を相手にぶつけることで、相手の深層に入り込みやすいことを体験的に感じていました。これが、コールド・リーディングの考え方を近いことであることを知り、コールド・リーディングを学びました。そうして、4Sコーチングにコールド・リーディングの考え方を取り入れました。

■コールド・リーディングのやり方

 冒頭でお話ししたコールド・リーディングですが、具体的なやり方は少し説明しづらいのですが、概ねこんな感じでやりました。

  1. 相手の言葉や仕草から感じる「違和感」をそのまま相手にぶつけてみる
  2. 相手が反応した場合、その違和感から相手の心情、想いをイメージし、それを更に相手にぶつけて、相手の心情を深堀りしていく
  3. 相手が反応しなかった場合、2.で感じたイメージの根拠(言葉や仕草)を説明した上で、相手の心情を深堀りしていく
  4. 1.に戻る

 私の場合、相手の言葉や仕草がすべての起点となります。会話の中で相手の話す言葉のテンポ、スピードが違ったり、一瞬の間が起こった場合した場合、それが「違和感」になります。また、視線、身振り、息遣いなど、普段と違う仕草が出てきたときも「違和感」になります。そういった違和感を

「今の話に違和感を感じるんですが、何か思っていることがありませんか? 」

のようにまっすぐ相手にぶつけます。その違和感が正しいモノであれば、相手は「そうなんです、実は...」のように話し始められることがあります。それをきっかけとして、更に話を掘り下げていきます。このとき、もし違和感が違っていた場合、

「あなたの〇〇の言葉や仕草に違和感を感じたのですが、そのときどんな想いだったのですか? 」

のように切り込み、話を深堀りしていきます。こうすることで、相手は心を読まれているような感覚になることがあるのだそうです。

■「違和感」を感じることの重要性

 私の場合、コールド・リーディングの起点は相手から感じる違和感ですが、これは何もコールド・リーディングだけの話ではありません。コーチングやキャリアコンサルティングにおいても「違和感」を使って相手の深層に切り込むことはやっています。

 これは私個人の考え方かもしれませんが、こういった違和感は誰しもが感じるのではないかと思います。しかし、その違和感を相手にぶつけることをされている人は少ないのではないかと思います。

 ですので、会話をされる中で何かしらの違和感を感じた場合、その違和感を相手にぶつけてみてください。そうすることで、深く相手を知るきっかけができるかもしれません。

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