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第223回 休みについて考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 お盆休みも終わり、仕事をしている人はいつもの日常が戻ってきているのではないかと思います。私は今年のお盆休みは原稿の修正などに追われており、ほとんど休みが取れていなかったのですが、それでも少しは休むことができました。そういえば、歳を追うごとに休み方が変わってきているような感じがしています。そこで今回は休みについて考えてみたいと思います。

■年代別「休み」の捉え方

 社会人になった20代の頃、休みは自分のための時間でした。友人と遊びに行ったり、好きなテレビや映画などをみたり、ゲームをしたりする時間に充てていたと思います。そのため、休みの日はいつも何か行動をしていました。つまり、この時期の休みは普段の仕事でできていなかったことをするための時間だと考えていました。

 それが、30代になると少しずつ生活が変化していきました。この頃になると仕事も激務が続き、毎日の仕事でクタクタになることが多くなってきました。そのため、休みに癒しの要素が入ってくるようになりました。落ちつた場所で過ごしたい、疲れた身体を癒すために温泉に行ってゆっくりしたい、喫茶店で好きな本を時間を気にせずゆっくり読んでいたいなど、普段の仕事の疲れを休みの日に取り除くような行動が多くなってきました。

 しかし、それでも身体の疲れが取れなくなってくると、今度は寝るようになってきます。...というより、疲れて休日には起きれないのです(汗) 気づいたら寝て1日過ごしてしまうことも増えてきました。しかし、こんなことをしていると周りの人、特に家族に迷惑をかけます。普段の仕事が忙しい分、家族サービスが疎かになりがちなので、休みの日ぐらい子どもと接する時間を多く取るとか、どこか小旅行に連れて行ってあげるとかをしてあげたいと思いますし、家族もそれを期待しています。しかし、それをせずに自分の身体の疲れをとるといって1日中寝ていると、家族の雰囲気も悪くなってきます。そのため、この時期は休みはやらなければならないこと、求められることを優先し、自分の疲れを癒すといったことは後回しにしていました。

 しかし、40代を迎える頃になると少しずつ状況が変わってきます。普段の忙しさは変わらない(むしろ更に忙しくなっている)のですが、忙しさに身体が慣れてきているのか、さほど休日に疲れをとらなくても身体が平気になってきました。もちろん、休めるならば休みたいのですが、休まなくても身体がもつような感じになってきました。そこで、家族サービスに時間を充てつつも、普段の仕事ではできていない自分に対して投資する時間をつくるようになってきました。本を読んで知見を深める、いろんな人の話を聴きに行く、いろんなモノを感じるようなことに時間を割くようになってきました。もちろん、20代のようにガンガン動き回ることはできませんし、かといって、30代のように癒しだけをやりたいわけでもありません。ちょうど20代と30代の休み方を足して2で割ったような過ごし方になってきました。

■7つの習慣的にみると...

 実は今、7つの習慣を徹底的に学んでいます。その理由は次回にでもお話ししたいと思うのですが、この7つの習慣の中の第3の習慣に「最優先事項を優先する」という考え方があります。その中に「時間管理のマトリクス」という考え方があります。時間管理のマトリクスとは、縦軸が重要度、横軸が緊急性で区切られた4つの領域のことなのですが、これらは以下のように呼ばれています。

第1領域:重要度が高く、緊急性が高い
第2領域:重要度は高いが、緊急性が低い
第3領域:重要度は低いが、緊急性は高い
第4領域:重要度が低く、緊急性が低い

 7つの習慣では、この中にある第4領域(重要度が低く、緊急性が低い)を徹底的に減らし、第2領域(重要度は高いが、緊急性は低い)を増やすべきといっています。例えば、身体を癒すための休憩はその人にとって必要なことなので第2領域に入りますが、1日中「癒し」という名目で休憩し続ける(=寝ている)ことは第4領域になります。このことを学んだとき、30代の私の休みの過ごし方は明らかに第4領域に陥っていたと思います。しかし、40代に入ってからの休みの過ごし方は第2領域に移ってきているような感じがしています。そのせいか、最近は休みのときの充実感が増してきたような感じもしており、それが仕事にも反映されてきているようにも感じています。

■休みについて考える

 休みの捉え方は人それぞれです。普段できないことをやるためと捉えることもあれば、普段の疲れを癒すと捉えることもあります。また、自分に投資すると捉えることもあるでしょう。これらは私がすべて経験してきたことなので、私自身はどれもすべて間違っていないと思います。

 今現在の私の休みの過ごし方には何の後悔もありません。しかし、30代の私の休みの過ごし方には少し後悔がありました。ちょうど、「うわー、また寝て休みが終わってしまった...。明日から仕事かぁ...」のような感じです。決して、「あー、1日寝れてすっきりした! 明日からガンバろう! 」ではありませんでした。そう考えると、休みの過ごし方で後悔をすることがあったとしたら、その過ごし方には改善の余地があるのかもしれませんね。

Comment(2)

コメント

nana

「家族サービス」という言葉に違和感を感じました。
全体的に、ご本人のスキルアップやご本人の体の疲れを癒やすことにしか
休みを使っていらっしゃらなくて、現実としてありえるのかと不思議な気持ちになりました。
同時に純粋に羨ましく思いました。
ワーキングマザーの場合、家族がいれば、帰宅後や休みの日は、男女問わず、家の仕事をすることがメインとなり
第一領域や第二領域は子供や家族の世話となってしまうと思いますが、
ワーキングファザーは、よく寝て自己投資ができるのだなと寂しい気持ちとなりました。
「家族サービス」と、他人事にせず、
家族と仕事を両立している方にも参考になる記事だといいなと思いました。

キャリアコンサルタント高橋

nanaさま、


貴重なご意見、ありがとうございます。


ワーキングマザー、ワーキングファザーの話については前提条件がいろいろとありますので、ここでは割愛させていただきます。
また、このお話は私個人の体験談ですので、一般的な男性像、父親像ではないかもしれません。この2点を前提にコメントさせていただきます。


30代の頃、私は本当に仕事が忙しく休日を寝て過ごすことが多かったです。そうするとコラムにも書きましたが、家族の関係が険悪になってきました。もし、自分だけが良いという考えなら家族との関係が険悪になっても構わないと思うのですが、そのとき私は家族に申し訳がないと思いました。だから、


> この時期は休みはやらなければならないこと、求められることを優先し、自分の疲れを癒すといったことは後回しにしていました。


として、家族と触れ合う時間を極力多くとるようにしました。私はこれを「家族サービス」という言葉で表現しましたが、nanaさまのコメントを拝読させていただいて、この表現に義務的なニュアンスが含まれているような感じがしました。実際には私がやりたかったからやっていただけなので、少し表現の仕方、伝え方が違ったかもしれません。この点は言葉足らずで誤解を招いたかもしれません。申し訳ありませんでした。


私はこれまでの生き方で自分のスキルを身につけることに時間を割く生活を送っていると思います。しかし、だからといって家族をおざなりにしているつもりもありません。


『休みの日にスキルアップや身体の疲れを癒すしか』とありましたが、もちろん家事全般もやってます(笑
実は私は掃除や洗濯などが大好きで、暇があれば部屋の片付けなどもしたいタイプなんです。そのため、家族の協力するというより私が好きでやっているという感じなので、ちょっと違うかもしれませんが、家族からは重宝がられています(笑


また、私は家事を女性、仕事が男性という考え方はもっていません。寧ろ、その逆でドンドン男性は家事や育児に参加すべきだと思っております。子どもと接する時間もできる限り取るようにしていますし、子どもの学校のイベントはできる限りすべて参加します。近所づきあいもとても大切にしていますし、近所の子どもさんともよく遊びます。そうすることが、家族における自分の役割だと思っていますし、何より私自身がそうしたいと思っております。


nanaさまのコメントを拝読させていただいて、家族のことを考える良い機会になりました。機会があれば、家族をネタしたコラムも書いてみたいと思います。ありがとうございました!

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