ITエンジニアへの5分間キャリア・コンサルティングやってます!

第181回 学びの先にあるモノ

»

 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 ここ最近、エンジニアライフでは学びに関するコラムがいくつか投稿されています。先週のコラムにも書きましたが、現在私は初心者向けのプログラミング書を書いていますので、興味深く読ませていただきました。そこで、今回は私の経験を踏まえ、学びについて考えてみたいと思います。

■学びの想い出

 私はITエンジニアの時分にシステム開発の仕事を一とおり経験させてもらいました。しかし、その過程で誰かに教えてもらったことは一度もありませんでした。すべて独学、もしくは現場で見様見真似でやり方を盗んできました。一方、私はコミュニケーション系スキルなどもほぼ独学で習得してきました

ほぼ独学で習得してきました:唯一コーチングだけは独学ではエッセンスや真髄が理解することができなかったので、数十万というお金を払ってプロのコーチに教えていただきました。

 私が技術やスキルを独学で学んだ理由は2つあります。1つは学ぶためのお金がなかったから、そしてもう1つは教えてくれる人がいなかったからです。そのため、私が学ぶ術はいつも書籍か映像でした。しかも独学ですので、当然のことながら身につけた(と勝手に思い込んでいる)知識や技術が本物かどうかが分かりません。

 そこで、私は「試す」ことで確認するようにしてきました。例えば、PMP(Project Management Professional)を取得したときも、独学で学んだPMP(PMBOK)の知識で、実際のシステム開発のプロジェクト管理ができるのかを試しました。その実践の中で理論と現実とのズレを知り、自分なりにどうやって落としどころをつければよいかを考えながら仕事をしてきました。

 キャリアコンサルティングにしても同様に、キャリア論のような理論をどのようにして実践と結びつけるのか? その答えを教えてくれる人が周りに誰もいませんでした。だから、私自身が実際にキャリア論を試し、その効果を自分自身が確かめることをしてきました。

 そして、私は身につけた技術やスキルを率先して「伝える」ようにしていました。その理由は、私の周りにいた人たちが私が学んできた技術やスキルに興味を示し、それを必要としてくれたからです。このとき、私は人に何かを伝えるスキルを少しずつ学んできたのではないかと思っています。それは、このエンジニアライフでコラムニストとして執筆させていただいている今にも繋がっていると思います。

■学びの先にあるモノ

 私はイチITエンンジニアからキャリアコンサルタントとなりました。その過程で、数え切れないほど貴重な経験させてもらいました。そして、今ではたくさんの人と触れ合う機会に恵まれており、さらに多くのことを学ばせていただいております。

 そして、今、「初心者がプログラミングを学ぶ」ということを本の執筆を通じ、お手伝いさせていただくようなことをやらせてもらっています。この本には私のITエンジニアでの経験を多分に盛り込んでいます。私が初心者の時分に「こんな本が欲しかった! 」という本を書かせてもらっているつもりです。

 私は学びにはインプットアウトプットがあると思っています。たまたま私の場合、インプットは独学であったことが多かったですが、今にして思えば、それは独学だろうが誰かに教えてもらうモノだろうが、どちらでも大差ないような気がしています。

 勿論、インプットを何にするかを考えることは大切なことですが、それ以前に学んだ内容をどう生かすのか? を考えることが必要があるのではないかと思います。私の場合は仕事で使う必要があることを学んでいましたので、アウトプット先は当然仕事でした。そして、それにプラスして、人に伝えるというアプトプットもやっていました。アウトプットが明確だったので、独学というインプットでもやってこれたのではないかと思っています。

 インプットの方法に固執し、それをどう生かすかについて考えることができないままでいたら、きっと今の私はなかったでしょう。私はこの「試す」「伝える」という2つのアウトプットがあったからこそ、今が私があるのだと強く思っています。

 学びとは、あくまであなたの目的を達成させるための手段です。もし、学ぶことに考える機会がありましたら、学ぶ術を考えるのと同時に、学んだ後のことも一緒に考えてみてください。それが、あなた自身を大きくステップアップさせるベースになるかもしれません。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する