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第161回 スキルと意思

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 最近、研修の仕事をさせてもらう際、スキルと意思というお話しをさせてもらっています。今回はキャリアをつくる上で必要となるスキルと意思について書きたいと思います。

■研修は何をするための場所か?

 一般的に考えれば、研修は何かしらのスキルを習得するための場所といえます。プログラミング言語、開発手法などといった技術系の研修ではそれらの技術スキルを習得することが目的です。また、ホウレンソウ、リーダーシップ、コーチングなどのコミュニケーション研修では、それらコミュニケーションスキルを習得することが目的です。研修に参加される人は概ね研修を受講される目的(=スキルの習得)であることは理解されています。

 しかし、実際に研修の結果を実業務で活かせている方は、研修を受講されている方より少なくなるのが現状です。

■なぜ研修を実業務で活かせないか?

 これにはいくつかの理由があります。一つは研修で学んだ内容と実業務との間に乖離がある場合。これは技術系スキルでよくあることですが、研修で学んだ内容と実際の業務がかけ離れている場合、研修の内容を実際の業務に活かすことができません。

 しかし、研修内容と実業務との差がないにも関わらず、研修内容を活かせないケースもあります。これは、なぜか? ここで、スキルと意思という考え方が出てきます。

■スキルと意思

 仮に研修で学んだスキルが実業務とマッチしており、実業務に活かすことができるとします。それにも関わらず、研修で学んだスキルを実業務で活かすことができない場合、それは、研修で習得したスキルを実業務で使おうとしていないことに原因があるのではないかと思います。

 つまり、スキルを習得することと、そのスキルを使おうと考えることは別問題であるということです。どれだけスキルを習得したとしても、その人が習得したスキルを使おうと考えなければ、それはスキルを習得していない状態と何ら変わらないのです。

 どれだけ技術スキルを高めても、その技術スキルを使って仕事をしようという意思がなければ、それは技術スキルを習得していない状態と何ら変わらないのです。

 どれだけ人の話が聞けるようになり、人と話ができるようになったとしても、実際の業務でそれらを使おうと考え行動しなければ、その人はコミュニケーションスキルが上達していない状態と何ら変わらないのです。

 そして、習得したスキルを実業務で使おうと考えることこそが、その人の意思です。私がキャリア・コンサルティングをする場合、最初にその人の意思を明確にしますが、それは意思こそがその人の行動原理、行動の源になるからです。例えば、キャリア・コンサルティングでキャリアプランを立て、そのキャリアプランを実現する過程で研修を受ける場合、そこには明確な意思があります。しかし、研修を受けることからスタートしている人の場合、その人の意思が明確になっていないと、単にスキルだけ身につけただけの状態となり、スキルを実業務で活かせない危険性が出てきます。

■意思をもとう

 スキルと意思という考え方は日常生活においてもいえます。一般的に、何かの行動には必ずそこに何かしらの意思が含まれています。基本的に、意思のない行動は衝動以外はあり得ないと思います。

 ですので、今行っている行動が衝動に依るモノでなければ、その行動にはどのような意思があるのか、それを考え行動することで、より深い行動、意味のある行動につながり、そこから行動の結果へと結びつけることができるようになるのではないかと思います。

Comment(2)

コメント

abekkan

ちょうど昨日、酒の席でセミナー講師もやっているある女性の話を聞きました。

無名の頃は一人5000円でセミナーを開いていた。今では同じ内容で20万円でやっている。今の生徒の方がセミナーで教えたことを実戦に活かした人の割合が明らかに高い。と。

やはり20万円投資する人は意志が違うんでしょうねえ。

abekkanさん、

いらっしゃいませー。

セミナーの受講料と参加者の意思については私も同感です。
受講料が高いセミナーに参加する受講者の方はそれだけのお金を払ってでも参加したいという明確な意思があるように思います。

私の感覚ですが、セミナーの受講料を高額に設定されている方は、高額の金額設定は自身が提供するセミナーに対する絶対的な自信でもあると同時に、セミナーに参加した人に何が何でもセミナーの目的を達成させようとする覚悟の表れのようにも感じます。

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