地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

期待できるノウハウの公開

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 オープンソースとして様々なアプリケーションが公開されていますが、つい最近面白いニュースが流れていました。ここ @IT でもその記事が公開されていますが、「日本マイクロソフト、GitHub上でクラウドPOSなどのソースコードを公開」というものです。私としても、POS や EC といった案件に絡んでいたこともあり、非常に内容が気になっています。

 まだ実際のソースコードを見ることは出来ていませんが、この取り組み自体が非常に好感の持てる取り組みだと感じています。世の中でこの領域のアプリケーションやシステムは、それこそ星の数ほど存在しています。業態として長い歴史を持っているにも関わらず、関連する知識がなかなか共有されないこともあり、それぞれが独自に実装したものが多いのではないでしょうか。在庫の管理や売り上げの管理など、一般的と思われる事柄についても、独自の考え方に基づいたものが殆どです。

 確かに扱う商品によっては、求められる内容が変化することもあり、単純に在庫管理といっても要件に大きな違いが発生することもあります。個体管理のあるなしなど、実現するためには大きく影響を及ぼす内容も多いです。そういう理由もあり、現在に至るまで共通化できていないのかも知れません。また実現したとして、そのノウハウは契約のもとに一般的に公開されることはありません。

 その状況の元、発表されたのが先のニュースです。これまで表に出てこなかったノウハウがオープンになる、その一点だけを見ても非常に素晴らしい取り組みです。

 このような形で仕組みがオープンになるということは、基本的な仕組みが一般的なものとして共有されるので、最低限の動作が保証できるということです。それでも独自に作成することを選ぶ企業もあるでしょうが、その場合はオープンにされたこのアプリケーション以上のものが求められることになります。

 最終的にはスマートストアソリューション全体を公開するとのことで、小売系の世界が安価に一定以上の品質の恩恵を受けられるようになるようです。その時になり、公開されているアーキテクチャを利用するか、独自実装を行うか、どのような選択をするかは非常に興味深いことだと思います。

 今回このような取り組みが行われた以上、スマートストアと呼ばれる領域以外でも同様の流れになることが期待できます。ノウハウを表に出さないことで優位性を保つ時代から、表に出すことでさらに発展を促す世界へと変化するかも知れないのです。これまでは一部の領域でしか浸透していなかったオープンソースの世界が、さらに広まるかも知れません。

 私個人としても、業務で色々なシステムを構築することはありますが、その中でもオープンにできるノウハウはたくさんあると感じています。全てをオープンにする必要はないでしょうが、部分的にでも公開することは業界全体としてさらに発展する可能性を感じずにはいられません。他の人が考えた仕組みを利用することに抵抗がある人はいるかもしれませんが、よくよく考えると IT というもの自体他人が考えた仕組みの上で動作しているものです。そこに抵抗を感じる必要はないでしょう。

 これを機に、色々な企業が持っているノウハウが公開されるようになるのを望みたいところです。

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