働き方改革と自分の働き方

ワークスタイル

» 2018/10/31

　働き方改革などに代表される、これまでよりも自由な形で働けるよう改善していこうという取り組みですが、ここ数年でまた盛り上がっているように感じます。時間や場所を問わずに働くことができる仕組み、体制、その他にも多くの点を改善することでよりよい価値を作り出せるようにしよう、といったものです。

　IT 業界は比較的リモートワークなどを用いて、働く場所についての制約を緩和させてきました。それもあり最近ではリモートワーク可能といった募集要項を目にすることも、珍しくはありません。また自分が働く条件として、それを求める人も多くなっています。

　しかし反面、労働時間については働き方改革を取り入れている企業のほうが、長めになる傾向も感じられます。どこからでも働くことができる反面、働いている時間が増えてしまっているのです。この人はいつ寝ているのだろう、と思えることも多々あります。

　そういった現状を見ていると、俗に言われている働き方改革で、本当によりよい生活を送るようになれるとは思えないのが現状です。場所を問わないからと言って、四六時中仕事と向き合わなくてはならないのでは、それほど意義のあることとも思えません。このような状況を考えると、リモートワークなどに代表される場所の制約を解決するだけではなく、仕事量や負担といった面にも改善されていくようでなければ、本当の意味での働き方改革にはならないのではないでしょうか。

　このあたりは人によって受けとらえ方も異なり、これといった正しい対応はありません。場所の制約に重きを感じる人もいれば、時間に重きを置く人もいます。どちらが正しい間違っているではなく、どちらも正しいものだというのが、この問題をより難しくさせているのです。共通しているのは、場所がどうであろうと時間がどれだけであろうと、最終的に何かしらの成果が伴っていなければ、評価に結びつかないということでしょうが、評価する側もまだまだ発展途上であり多数が望むような形を作り出せてはいません。

　かといって全てに対して何らかの答えを見出してから、働き方を改善していくのでは遅いでしょう。方法を考えているうちに、周りの状況が変化しさらに別の方法を用意しなくてはいけなくなる可能性もかなりあります。そう考えると、手を付けられる部分から改善していくのは、現実的でよい方法です。

　これらを踏まえると、自分が勤める企業の選び方というのもある程度見えてきます。世の中の媒体や著名な人達は、どちらかというと場所の制約を嫌うようですが、それが正しいということではないと思います。周りがどうであろうと働くのは自分なのですから、自分が考える最も優先したい点について検討を行わなくてはならないのです。場所の制約を重要視するならリモートワークが可能な会社を、時間の制約を重要視するならリモートワークでなくとも管理がしっかりとしている会社を、そのような感じで自分が優先している条件を満たす会社を選ぶのが、最も良い方法です。世間や周囲がどう言っていようと、そこを曲げるべきではありません。

　世の中的にはリモートワークができない、スーツが必須、色々な条件に対して批判する意見が多く目につきます。もちろん、自分が望む条件すべてを満たしているような会社が見つかればよいのですが、大体にして何かしら条件が合わないところがあるのが殆どです。それが実際だと思いますので、あくまでも自分基準で考えるのが必要ではないでしょうか。

　例えばですが、私の場合だと仕事中はスーツでいたく私服で仕事を行いたくない、と考える側なので、スーツじゃないことが売りな企業には、それほど魅力を感じません。海外がどうとかこれからの時代はどうとか色々あるでしょうが、そこに自分は魅力を感じないのです。また、合計時間さえしっかり管理されるのであれば、フレックス勤務でなくとも気にしません。このように考える人がほかにどれくらいいるかはわかりませんが、少なくとも私はそう考えています。色々な会社がこうあるべき、と考え方を言っていますが、それもあくまで一つの考え方に過ぎず、絶対に正しいものとは言えないのではないか、そう思います。

　私が色々書くのも一つの考え方ですし、メディアや著名人が言うのも一つの考え方です。大切なのは、そこに惑わされず自分の中でしっかりと軸をもつことなのではないか、私はそう考えています。