地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

何かを発信しつづけるということ

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 関わる仕事とは関係なしに、自分が気に入ったものを追い続けている人は世の中にたくさんいらっしゃると思います。ゆくゆくは仕事でも利用できればいいな、と思っているかどうかはさておき、こういった活動が非常に大切なのではないか、最近ではそう考えるようになりました。

 小さい規模の会社では採用のチャンスのある技術でも、ある程度の規模となってからは色々なしがらみもありそうそう簡単に新しい技術を用いることはできません。悪い意味で安定を求めていることもあり、少しでも不安要素のあるものはなかなか本番にて利用することができません。

 安定を求めることは悪い事とは言い切れませんが、その度合いはあると思っています。どこまでも枯れた技術だけでやりくりすることは、次のステップへ進むことを難しくするデメリットを抱え込むことになります。10 年前の技術でもまだ用いていないといった話も、まったくもって珍しくありません。
 こういった保守的な環境を変えていこうと、手を尽くして頑張っていられる方も多いでしょう。ですがそのほとんどの場所では、分の悪い戦いを強いられている事でしょう。

 私の中での考えとして、このような場所を変えるには強い外圧しかない、今でもそのように考えています。自分たち以外では普通に利用されている、と分かればすぐにでもその技術を取り入れる流れが生まれることもあります。日本という環境の特徴なのか、内圧には強いが外圧には非常に弱い、そういった弱点を突くためにも外の世界では利用されている、そういう状況を作る必要があるのではないでしょうか。

 外の世界で広めるためには、なんといってもアウトプットが必要です。アウトプットが何も見当たらないようなものでは、極々少数の人間にしか伝わりません。この領域にいる方々は、基本自分で色々試すということが普通にできるので、例えアウトプットが他に見当たらなくてもほとんど影響はありません。

 そうではなく、世の中の多くの人は他の人がアウトプットした内容を参考にして、自分でもチャレンジしてみよう、そういうタイプが多いです。その領域にいる人たちに、如何にして情報を届けたり刺激を与えたりするか、そこが重要なのだと思います。そのためにも誰かがアウトプットを続けること、それが必要です。

 一つのアウトプットに何かを感じた人が新しいアウトプットを行い、そのアウトプットがさらに別の人に刺激を与えてよい連鎖が続く状況へとつながります。これをもっと多く繰り返すことで、外圧とまで育つ可能性が出てくるのではないでしょうか。

 実際にそれを行うことは、とても大変な事です。利用する人が少なくアウトプットも少ない状況では、アウトプットを続けるだけでも大きな負荷に近いものがのしかかります。特に反応が見えていない時期は、続けることの意義すら見えずに何故こんなことをしているのか、と自問自答するくらいに落ち込むこともままあります。ですがそこを乗り越えなければ、多くの人が試してくれる状況へとたどり着くことはありません。

 何もしなくても広まっていく技術というのは、ほんの一握りです。世の中に出回っている技術やサービスにおいて、それほど話題にならずに消えていったものは星の数ほどあるでしょう。自分が好きで調べている技術であれば、そうなってほしくはないと思うのが通常です。そのためにもアウトプットを続けていくことは、非常に重要なのだと感じています。

 最初は圧力なんて程遠い状態が、どんなものであっても等しいスタートです。その中から時間をかけてて多くの人にその魅力を伝えていき、ゆくゆくは圧力を感じるくらいにまで広まれば、自分の仕事にそれを用いることも不可能ではありません。そうするためにも、少しずつだろうとアウトプットを続けていくことが重要なのだと思います。

 自分も今年に入って一つ、そのような活動を新しく始めました。それがどういう結果になるかはわかりませんが、できるだけ多くの人に知ってもらえるよう色々やっていきたいと考えています。その活動が実を結び、自分の仕事に利用できるようになるよう、あきらめずに続けていきたいものです。

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