地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

東京への憧れと地方での現実と

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 私は主に、試されてい「た」地方都市で働いていることが多いのですが、地方都市と関東、特に東京との色々な差については常々実感してしまう事があります。集まっている人数の差、と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、IT 系に限らず、何かしらのイベントを行うのは基本的に東京圏が殆どですし、何か新しい事を始めようとしても、東京圏と地方とでは非常に大きな差が存在します。

 リモートワークという言葉を見るのも珍しくはなくなってきていますが、お仕事の内容によってはそもそもリモートとは無縁であったりすることも多く、これだけ技術が発展した時代になっても、物理的な位置というのはまだまだ重要な要素です。

 オンラインでミーティング、オンラインでユーザーと対話、今では色々な事がオンラインでも進めることが可能になっていますが、私たちはどこかでオフラインというか現実に対面することを重要視します。これはもう技術だ何だという世界でもなく、人である以上避けられないところだとも思うのですが、そういった理由も絡むのが、東京圏とそれ以外とで大きく差が発生している要因の一つなのではないでしょうか。

 IT 系の企業が実施するイベントにおいても、オンライン参加可能としているのは、意外と少ないものです。コミュニティによる勉強会などでも同様の状況で、やはり現場で参加することを重要視しているところは非常に多いです。そうなるとどうしても、集まる人が多い東京圏でのみ開催されることになるのは、避けようがありません。リモートワークを推奨している企業が開催するイベントでも、オンライン参加となると殆ど見かけられないのもこういった思想があるのだと思います。

 このような事情がある以上、地方で何かしら活動する事、それ自体が非常にハンデのあることだと個人的には思っています。それはビジネス的な面に限らず、個人的な活動においても同様です。東京で 10 人集めることができるのであっても、地方であれば 2 ~ 3 人しか集まるかどうかが現実です。そのような背景があるので、東京圏とそれ以外とでは覆しようのない差が、どうしても発生します。

 何か事を行うにあたって、関わってくれる人数が多いか少ないかというのは非常に重要な要素です。ビジネス的に捉えれば、人数が少なければイベントを開催することも見送るでしょうし、ビジネスそれ自体を展開しても売り上げなど期待できませんので、そのような地域は対象にすることを諦めます。よほど規模が大きくなって来なければ、地方というのはそもそも優先度は低くなってしまうのです。

 ここまでの差がついている以上、ここから採れる選択肢は二つしか残りません。かかわる人数を多くできる東京圏へ進出するか、関わる人数が少なくても構わないとして地方で続けるか、です。現状を踏まえたうえで、地方を盛り上げるために!、というのは耳障りが良いのですが、実際に実施することは東京圏で同じことをするよりも、はるかに難易度の高い事です。そういった現実が見えてしまっているので、現在地方で活躍されている方や企業というのは非常に尊敬できます。厳しい状況の中で、活動を続けるというのは本当に素晴らしい事だと感じています。

 そうは思っているのですが、一人のエンジニアとして考えた場合、やはり東京圏というのは自分が何かを行うにも、自分が成長するためにもどうしても必要と考えてしまいます。私は元々東京の企業で最初に勤め始めたこともあり、スタートの時点で東京圏と地方との差を実感しました。その体験が強く残っているので、いつまでたっても東京圏への憧れ的なもの、というのはなくなりません。憧れ、と書いてはいますが現実にそれぐらい大きな差がどうしてもあるのです。

 集まる人の数が違う、集まる情報の量が違う、その重要性は年を重ねれば重ねるほどに実感しています。特に IT 業界のように、新しい物事に触れる必要性が高い場合はなおさら顕著です。技術の発展により、流れてくる情報の量だけは関東圏に近くはなりました。ですが先に書いたように、オフラインでの物事がある以上、どうしても東京圏でなくてはたどり着けない部分が残るのです。言い方を変えると、見えてくる情報量が増えたために、残る差というのをより大きく感じてしまうようになったのかも知れません。

 このように考えているのもあり、どこかのタイミングで東京圏へと出てくることは、私の目標の一つです。そうすることが自分にとって一番プラスになる、という気持ちは今でも持ち続けていますし、色々な機会があって東京圏で仕事をしたり、イベントに参加するたびにその思いは確固としたものへとなっています。もちろん生活するだけであれば、地方というのは良いところです。ですがそれ以外の要素を考えると、地方で叶えることが難しい事が多い、というのは変え難い現実でもあります。

 私の中では、理想として地方でも東京圏に近い事が出来ればよい、とは思うことがありますが、その理想を叶えられるかと言われると、今の現実からは指針を思いつきません。理想を通し続けるには時間が足りませんし、自分以外の要素がとても多く関連しています。恐らくこのように考えていることこそが、いつまでたっても東京圏とそれ以外での差が埋まらない要因の一つだ、と言われればそれまでですが、いつか叶うかも知れない未来に期待して待つには、私が使える時間では足りなすぎるように思えるのです。

 私が IT 業界に携わっている間には、この差を埋めることは恐らく無理でしょう。そして私が自分のこと以外を重要視して地方で動き続けられるか、と言われればこれもまた恐らくは無理なことだと思っています。これは多分に、東京圏に行くには飛行機が主体となるような場所にいるから、というのも大きいのかも知れません。車や鉄道など、別の方法でも行くことが普通に選択肢としてあるような場所であれば、ここまで関東圏に大きな夢を見ることもなかったのかも知れません。海を越えるという事が、地理的なこと以上に精神的にも大きく影響しているのかも、と思います。

 だからこそ、私の中で東京圏へ出てくることはとても重要な目標の一つです。そうすることが、自分がやりたい事へ近づくために必要と思えている限りは、その目標に向かって動いていきたいと思っています。

Comment(4)

コメント

Uターンエンジニア

東京と言わず、地方から海外のプロジェクトや技術系MLに参加されてみたら?
東京とか地方とか関係なくなります。
世界中の開発者が関わるプロジェクトならオンラインが当たり前ですし。

実際、東京に出ると今度はシリコンバレー界隈がうらやましくなりますw
情報系技術の発信元の大半が海外からなので・・・。
東京にいても一次情報に携わっていなければ、大勢の中の一人でしかないです。


るきふぁ

僕は、2年前に東京に来ました。
Ahfさんの言われる通り、最初東京圏で働いたこともあり、憧れを捨てきれず、30過ぎで転職をし、東京に来ました。
通勤は大変ですが、結構満足です。

もともと、ある製造業がさかんな地方で知り合いと会社を起業しましたが、なかなかうまくいかず、さらに代表が一番採算が取れており将来性がある人材が集まっていたIT事業を縮小しようとしました。
理由は「ITはものづくりの本質ではなく、実際にモノ(この場合機械や部品、設備機械のこと)を作るのが本質だ」ということです。
実際、IT不毛の地と呼ばれ、セミナーや展示会はこの規模の都市としては極端に少なかったです。

「地方と何が違うかって?」、そりゃあこんな人(経営者)がいて保守勢力に邪魔され、モチベを奪われる人がいて、その人たちが東京に行くからですよ。

山無駄

20年近く、修羅の国と言われている地方でIT業に携わっています。
基本的に、情報へのアクセス量は東京と地方でもあまり変わらな気がします(ただしコストは
かかりますが…)。幸にも、地方にいても、大きなプロジェクトや新しい技術を使った案件な
どに携わる機会に恵まれていたからかもしれません。確かに、人にしろ情報にしろ規模が小さ
い分、巡り合えるチャンスは東京の方が多いのかもしれませんが、自分でやりたいことがある
のならば、必要な情報はそんなに多くないので、コストさえかければ充足することができます。
人との出会いは、やはり地方だとチャンスは少ないのかもしれませんが…。
そういった意味では、東京より外国にあこがれを持ちます。こちらの手が出せないくらいのコ
ストがかかるので、本当に憧れだけですが…。
あえて、極端なことを提案させてもらうならば、今すぐ東京の会社に転職することを本気で検
討してみるのが良いと思います。シリコンバレーに移住するより、よっぽど現実的なのですか
ら。そうすると、目標の本気度がわかりますし、もしかすると地方で大切なことも見えてくる
かもしれません。

elcaminoreal255

やっぱ、東京はいいですよ。飯が安くて美味いです。

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