地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

Blog エントリは記事じゃない

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 日本では Blog に技術的なことを書いて公開するということが、諸外国と比較するとあまり活発ではないという話を聞きます。その理由の一つに、日本では間違ったことを書くと徹底的に責められるといった、お国柄的な理由があると聞いたこともあります。自分の周囲に聞いてみても、確かに Blog に調べたことをアップするという行為に、非常に責任を感じていることもあり、できればやりたくないと思っている人が多いです。
 技術者としては、アウトプットの量を増やすことが次のインプットを増やすという良いスパイラルが存在しているのを知っているので、できれば多くの人にアウトプットするようになってもらいたいものですが、反面「責められる」という事に恐怖というかいやな気持を抱いて委縮してしまうのも理解できます。

 私は技術的なことを自身の Blog で細々とまとめていたりするのですが、扱っている内容がニッチでそれほど需要のない事もあり、あまり文句を言われたことはありません。そのような実態を話しても、それでも委縮してしまうにはどういった理由があるのでしょうか。

 その理由として考えられることに、「記事」という言葉の重みがあるのかな、と思うところがあります。

 よく、Blog に記事をアップしました、という言い方を目に耳にすることがありますが、個人的にはこの表現に違和感を感じています。これはあくまでも個人的な主観でしかないのですが、記事と呼ぶものは、Blog に好き勝手にかけるものとは違い、執筆者と編集者が色々と協力して作り上げるもの、そのようなイメージを持っているので、執筆者だけの意思でどうこうする Blog のエントリは記事と呼ばない方がよい、そのように考えています。

 Web 媒体で扱われている記事であれば、先の例のように複数人が共同して作り上げたものであり、サイトの運営者により公開是非を判断したうえでのものですので、記事として公開するイコールある程度の責任がつきまとう、と捉えることにそれほど問題はないでしょう。ですが、個人が好きにやっている Blog では、このような形をとることはありません。執筆者が好きに書き、好きに公開できるものですので、もっと責任は付きまとわなくてよいものだと思うのです。

 Blog に公開しているものは、ただのメモ書きみたいなもので記事ではない、そう考える事でもっと気軽に書き連ねていけるかも知れないと思いますので、私としては是非とも Blog に書くことは記事を書くこととは違う、と浸透していけばもっとアウトプットを行う人が増えるのではないか、そう考えてしまいます。

 ここエンジニアライフでも、最初のうちは編集者さんに色々と指摘してもらいながら書いていました。ある程度の回数を書いたあたりで、好き勝手に書いて好き勝手に公開できるようになったのもあり、ここもある種の個人 Blog みたいなものとなっています。反面これは、エンジニアライフという技術者の生の声を書き記す場としては、その方針の方が適していると私は思っていますので、今のこの方針は非常にありがたいです。恐らくこれを記事の体を為すようにするのであれば、文章としての基本な点からほぼほぼ全てに指摘が入るようなことになり、生の声とは少々異なったものに仕上がるかもしれませんし、せっかくのこの場所が生かせない事にもなります。

 日本人的には何かしらの行動には何かしらの責任が付きまとうよう思いがちですが、こと Blog のエントリに関してはそこまで重いものではなく、もっと気軽に扱ってよいものなのではないでしょうか。例えその内容に誤りがあったとしても、それは責められるものでもなく、正しく指摘を受けたら「そうですね」と取り込めばよい、その程度のものであってよいのだと思います。

 世の中にこのような思想が広まることで、アウトプットすることに抵抗を感じられなくなり、ようやく多くの人がアウトプットできるようになるのではないでしょうか。変に Blog に書いたなら責任を持て、的な思想を振りかざす人がいる限り、これはなかなか解決できるように思えません。

 よくエンタープライス業界に携わる開発者、または VB 使いな人たちはアウトプットすることを避ける傾向にあると言われていますが、このような好ましくない状況も変わっていくことができれば、それは今後さらに良い方向へと進むことができるようになるかも知れないと考えます。言い方は少々微妙ですが、閉じこもっていないで表に出る事、それは技術者としても良い方向へ進むために必要なポイントです。そのためにも、アウトプットすることに責任を求めず、もっと気軽にできるような環境、もっと気軽に行ってもよいと思える風土の形成が必要なのではないでしょうか。

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