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ちょっと待った。その退職! 『退職時期の失敗が招く転職版負のスパイラル』

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[第1回]

 キャリアアップのための転職は誰もが抱く成功のシナリオ。しかし、転職活動の進め方によっては、失業やキャリアダウンなどの危険をはらんでいるということも忘れてはいけません。

 転職活動をスムーズに進めるためには、リスクをどれだけ回避できるかが重要になります。今回は、転職時のリスク回避に関連の深い『退職のタイミング』にフォーカスしてお話をさせていただきたいと思います。

 『退職のタイミング』は、大きく分けて2つあります。1つは、次に行く企業から内定をもらう前。もう1つは、次の企業が決まってからです。安全なのはどちらでしょうか? いうまでもありません、転職先が決定した後が安全です。つまり、辞意表明する前に内定を取得すれば、キャリアダウンや失業といった転職のリスクを避けることが出来るのです。

 しかし、一方では、次のようなご意向を求職者の方からお聞きすることがあります。

 『今回のプロジェクトの終了と同時に退職し、そこから転職活動を開始したい』

 『会社に迷惑をかけたくないので、まずは上司に相談し、了解を得てから開始したい』

 『とりあえず、今の仕事は退職し、少し休みをとってから仕事を探したい』

 残業、残業の毎日。転職はしたいが、忙しくて転職活動に時間を割くことができない。プロジェクトも佳境に入り、周りはピリピリムード。ここで休暇を取ったり、途中で退職してしまっては、会社やお客様に迷惑をかけるのでは……。また、少しまとまった休暇もほしいところ。いっそのこと、ここで退職をしてから転職活動をした方がスムーズに進むのではという考えは、よくお聞きするお話です。読者の皆さんもこのようなことを考えたことはありませんか?

 『転職先が決まってからの辞意表明が安全なことは百も承知、そんなに簡単なことではないから相談したいんだ』という方もいらっしゃると思います。確かに、現実的に難しい場合もあるかと思います。しかし、一歩間違えば、大惨事になり、大きな代償を払う結果になる危険性をはらんでいるということを十分理解して行動する必要があります。

 転職先が決定する前に退職をした場合どのようなことが起こるのか? また、その失敗に付随して連鎖的に発生する障害とはどのようなものがあるのか? 具体的な事例は次回ご紹介させていただきます。

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アデコ株式会社
人材紹介サービス部 
シニアコンサルタント
藤田孝弘

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