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失敗学を学んで失敗を許せる風土を作ろう

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失敗学は納得できる話ばかり

 先日、失敗学実践講義(畑村洋太郎著)という本を読みました。失敗学とは、失敗の原因とそこに至る行動を分析して同じ失敗を繰り返さないようにするという学問です。

作業マニュアル(というかチェックシート)についての話が載っていました。

たいていのマニュアルでは一項目ずつチェックをすることになっていますが、一つの作業が終わるごとに印を書き込んでいたのでは道具と筆記用具との入れ替えばかりが頻繁になるのでとても面倒です。そこで目先の効率化を求めて、やがて一塊の作業が終わってからまとめて印をつけるようになります。(中略)こうして建前と実態が乖離し、やがて最後にチェック漏れが起こるのです。(「失敗学実践講義」より引用)

 これは「あるある」だと思いました。何か障害が発生するとその是正策を提示することが求められます。そこでよく登場するのが「チェックシートに確認項目として記載することで防止します」というお決まりの是正策です。是正策の定番です。でも、これが効くのはそれから少しの期間だけで、やがては形骸化してしまう。そんなことがありませんか。

ヤイノヤイノと言われたら

 また、この本には、細かいことに「ヤイノヤイノ」とうるさく言うと、真面目な人ほどそればかりを気にするようになって、肝心なもっと大事なことに対しての注意が散漫になってしまう。なぜなら人の注意力には限りがあるから。ということも書いてありました。

 これも「あるある」です。影響力のある人や声が大きい人が細かいことをヤイノヤイノと言い出すと、それをどうにかしなきゃってことに気を使いすぎて、本来やるべきことが後回しにされてしまうことがあります。

 ヤイノヤイノに振り回されない解決策は、真面目にやりすぎずに「いい加減にやる」ことだそうです。本当に大切なことだけに気を使え、と。

失敗を許すな、と言うヤツを許すな!

 昨年はいくつかのメーカーで不正な検査が行われていて隠蔽されていたことが発覚しました。日本では失敗が許されないと考えられていることが多いと思います。失敗は許されない。失敗が見つかるとひどく怒られてしまう。だからまずいことは隠蔽する。見なかったことにする。これは必然な結果だと思います。昨年発覚したメーカーの不正な検査はきっと氷山の一角でしょう。似たようなことをやっているメーカーはたくさんあることでしょう。

 失敗は誰でもしてしまうものです。けれども隠さずにオープンにすることで、同じ失敗が繰り返されたり、さらに大きな失敗が起こることを防ぐことができます。小さな失敗にヤイノヤイノと言うヤツは無視しましょう。会社や社会全体がうまくやっていくためには失敗を許す風土が必要です。そして失敗学を学ぶことが大切だと思います。

 私、失敗(しか)しないので。あべっかんでした。

「失敗学実践講義を読んで失敗を活かそう」

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