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我がエンジニアライフに悔いなし? -第3話(前編)

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第3話 前編 リスクをなくすのが敏腕プロジェクトマネージャー

 

■自称敏腕美人マネージャー

 うかつだった。健康診断で要再検査って言われてたのに。忙しかったし、どうせ行っても様子を見ましょう、って言われるだけだと思って行かなかった。行っていれば、癌が肺に転位する前に気づいて助かっただろうに。プロジェクトのほころびは即座にふさいできて、敏腕美人プロジェクトマネージャーだったこの私が。まさか命を失うことになるとは。

 私が抱えていたプロジェクトはどうなるの? 心配だわ。

■面倒なことは隠せ

 「菊地くん、この収支見込みはどういうことだ! これじゃあ今月は大赤字じゃないか」

 「椿部長、今月はミハルンジャーのチームにヘルプ要員を入れたのでコストが上がったのですがあとで取り返せるから大丈夫です」

 「大丈夫じゃないよ。赤字の報告はいかん。目立ってしまうじゃないか。桜井桃子マネージャーのときはこんなことはなかったぞ。なんとかしたまえ」

 あら、菊地くんがプロマネになったのね。ありの~ままで~を報告したようね。赤字で報告したらPMOに目をつけられて報告作業がどっと増えるんだから。他のチームにコストを回して帳尻を合わせるのよ。やけに作られたようなデータだなとか言われても、「妖怪のせいだ」とでも言っておけばいいの。反論できるネタはないんだから。余計な仕事を増やさないために突っ込まれない報告書に仕上げるのがプロマネの仕事なのよ。

 

■使えないヤツは切れ

 「派遣の梅宮すみれさんの体調がよくないみたいだなあ。通院で休みがちで進捗が遅れているぞ。松田さん、悪いけど梅宮さんのタスクを手伝ってあげて」

 ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん! 休んでばかりの派遣の代わりをプロパーの松田百合子にやらせたらコスト的にだめでしょ。今のうちはなんとかなるかもしれないけど、それが積もるとあとでたいへんなことになるわ。だいたいブラックシステム社からの派遣なんて安かろう悪かろうなんだから。休みがちだったらとっとと切って他の人にチェンジさせなきゃ。菊地くんは暖ったかいんだから~。っていうか可愛い娘には甘いんじゃないの。まあ彼女も私ほどの美人じゃないけどね。

 

■リスクは他人に転嫁しろ

 「う~ん、納期が厳しいのにクライアントに機能追加をお願いされた。どうやって作ろうか?」

 ダメよ、ダメダメ~。そんな無理な要求を受けてしまったら立場がますます弱くなるわ。守銭奴エンジニアの手塚規雄さんも言ってるじゃない。

 でもどうしてもやらざるを得なかったら磯樫システムズに外注するのよ。あそこなら「ひと月でなんとかしないともう使わないよ」って脅せば毎晩徹夜してでもやってくれるわ。使えるところを最大限に利用しなくちゃ。無理な要求が来たら突っぱねるか下請けに押し付けるのよ。リスクを自分で抱えていてはいけないの。リスクは他人に転嫁する。そうしていれば自分のプロジェクトは安泰よ。

 

■プロジェクトを円滑に進めるには

 プロジェクトをマネジメントするには、技術があってがんばるだけじゃあダメなのよ。ときには要領良く、ときには厳しく、ときには圧力をかけてでもリスクを取り払って自分のプロジェクトを守らなくちゃいけないの。私はそうやって守ってきたのよ。それが私のエンジニアライフ。敏腕美人プロジェクトマネージャーとしての。

 (後編に続く)



■あとがき

 この話はフィクションです。実在する人物とは関係ありません。さて、このあとどうなることやら。

 

 ちょっと待って、あべっかん。続きに何を書くつもり? 私、桜井桃子は敏腕美人プロジェクトマネージャーでした。で終わりでいいじゃないの。続きで変なオチなんかつけたら化けて出るわよ。倍返しよっ!

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