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やっぱり資格はいらない?-断言することって難しい

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 「やっぱり資格はいらない」

 という 手塚規雄さんのコラム を、ちょうど私がある資格試験を受けようと申し込んだ直後に読んでしまった。気になったのでネタにしてみる。

■資格や学歴はいりません

 一流大学を出て資格も持っている。だけど仕事ができないヤツはいる。学校や試験勉強で得た知識なんてそれだけでは役に立たない。

 「踊る大捜査線」などのドラマには、現場のことを分かっていないキャリア幹部が登場する。学歴があり試験に強く、理論だけが立派な人間は実際には役に立たないことが多い。現場の泥臭い仕事を経験している人間の方が役に立つものだ。事件は会議室で起きているんじゃないのだから。

 "現場で幅広い有意義な体験を積んでいたとしたら"、実務経験は資格や学歴なんかよりもよっぽど役に立つ。手塚氏の言いたいことはよく分かる。

■資格や学歴は必要です

 実務経験には偏りがある。職場によっては仕事の質やセキュリティや保守性の意識が低いかもしれないし、担当業務によっては狭い分野の限られた経験しか積んでいないかもしれない。それに覚えてもあとで使えない仕事もある。実務経験は必ず役に立つ、と言う人は仕事に恵まれてきた人だとも言える。だから、「○○のソフト開発の仕事を10年やってました」とだけ聞いても使える人材かどうかは判断できない。

 資格試験には必要なことが一応網羅されているので、その分野の常識は把握しているはずだ。学歴が高ければ英語の文献もある程度は理解できるだろう。さらにTOEICのスコアが高ければ海外との交渉も任せられるかもしれない。このように資格や学歴で判断できることもある。

 偏った業務経験や脚色された自己アピールよりも、学歴や資格の方が"客観的に判断できるという点では"優れている。

■断言することの難しさ

 で、abekkanの意見はどっちなんだ?! と思われるだろう。だが私がこのコラムで言いたいことは実は資格の是非ではない。

 世の中には、「英語は絶対、勉強するな!」とか「中小企業診断士試験「反常識」勉強法」とか、常識を否定したようなタイトルの本がいくつもある。そういうタイトルはインパクトがあるからだ。でも、その中身では常識を完全に否定している訳でもなかったりする。誰が書いたのか知らないが(?)、「中小企業診断士試験「反常識」勉強法」の中では、「反常識勉強法はいたって常識的」と書いてあったりする。つまり常識を完全にひっくり返しているわけではない。世の中の常識を完全にひっくり返すってなかなかできないものだ。必要だと思われているから存在している資格や学歴にしても「いりません」と断言するのは難しそうだ。

 私は「かもしれない」「だと思う」という弱気な表現はあまり好きではないので、「~だ」「に違いない」とコラムで断言することが多い。しかしその根拠が不十分なためにコメントでお叱りを受けてしまうこともある。根拠や前提条件をちゃんと書いておかないと断言はできないものだ、と勉強させていただいた。

 コラムを書くときに限らず職場で意見を言うときも、根拠や前提条件をはっきりさせておかないといけないなあ、と改めて思った。これを言いたかった。

 あっ、コラムばかりに時間を費やしすぎて、資格試験の勉強が進んでないっ(>_<)!

 abekkanでした。

Comment(9)

コメント

仲澤@失業者

まぁ、持っている資格がその技能とは無関係であるという事実は、
ペーパードライバーを持ち出すまでも無く、当たり前の事実です。

かつて人事を担当したこともありますが、
「資格を重要視するのは法律に関わる場合のみ」
という原則がありました。適法であるかどうかのみが、
審査の対称だったわけですね。

そうでない場合には経験を重要視します。
それも無い場合は若さとやる気ですかね。

経験上「資格を前面に押し出す人は採用しない」
という方針も持っていました。特に30代。
人生の修行の最も重要な時期、しかもその転機を資格だのみにするという、
やや残念な人物という評価になります。

人事が資格を採用の事由に持ち出すのは、失敗した場合に
人事担当自身の弁護に使えるからだけで、
本質的に人を見る目がないという事実に変わりはありません。
この人事の人もだめかもしれません。

彼は自身の運転手にペーパードライバーを採用する可能性があるわけですね(笑)。

わだ

わざわざ記事で上げる必要がないと思いました
あえてコラムとして読む必要もないほどありきたりな意見すぎ

abekkan

>仲澤@失業者さん

資格に頼り切っている人はたしかに残念な人ですね。

資格は本来、実力を保証するという目的で作られたはず。なのに目的を果たせない資格が多いこと。

私は受かる受からないよりも、勉強するネタの1つとして資格のテキストを利用することがあります。1人の人が書いた書籍よりもちゃんとレビューしてあるでしょうから。

abekkan

> わださん

おっしゃるとおり。
今回のコラムは、元ネタに反応して思ったことをそのまま書いてしまった感があります。ありきたりな意見ではつまらないですから、少しは楽しめることを書こうと思っていたのですが。

こういったコメントはためになります。ありがとうございます(^^)。

わだ

少しきついコメントをしてしまって後悔しています。
これからもがんばってください

ヨシ

「かもしれない」「だと思う」という弱気な表現~~~書いておかないと断言はできないものだ
↑これを見て手塚さんのコラムの内容にも少し納得できた気がします。
確かに曖昧なままの文章では論点がぼやけがちになりますよね。

ただ、本当に資格がいらないか?と言われれば、もしかしたらここでコラムを載せるような人たちだけの話かもしれないし、物事には絶対はないと思っていて、
それこそ資格を取ろう、または持っている人たちに対して失礼じゃないかと思ったので、
少し煽るようなコメントを残しました。
なのでabekkanさんのコラムでモヤモヤが晴れた気がします。

abekkan

> ヨシさん

そうです。手塚さんのコラムとコメントを読んで、ちょっとひとこと言っておきたいなあ、と思って書きました。
モヤモヤが晴れたのなら、書いた甲斐がありました(^^)。

手塚規雄

わざわざネタにして頂きありがとうございます。
そして無用な心配をかけてしまったようで申し訳ありません。

> ちょうど私がある資格試験を受けようと申し込んだ直後に読んでしまった。

タイミング悪いところにこんなコラムでやる気を削がれていないか心配です。
資格は不要派ではありますが、自分を向上させる努力する人は応援しております。
資格取得頑張ってください。

abekkan

> 手塚さん

コメントありがとうございます。
コラムのネタを提供してもらってよかったと思っていますよ。
私やAnubisさんはフリージャンルで何でもネタにしてしまいますから(笑)。

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