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科学的であることは常に正しい?!

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 あれっ? 風呂が!

 先週、国内の広い範囲を大雪がおそった日の夜、家の風呂の給湯器が故障した。

■どうしてこんな日に

 よりによって雪でこんなに寒い日に、風呂に入れないなんて(泣)! でも、風呂に入れないくらいならまだいい。この日はあちこちで停電になったようだ。

 いまどき、家に火鉢や暖炉なんてない。石油ストーブだって少なくなっている。電気が止まると凍えてしまう。電気がないとお湯も沸かせない家もある。どうしてこんな大雪の日に停電になるんだ!、と毛布にくるまって嘆いたことだろう。

 でも、大雪と風呂の故障や停電は無関係ではない。雪で配線が切れて故障した可能性が高い。「どうしてこんな日に」と思うより、「どうしてウチだけが」、「どうしてこの地域だけが」と不運を嘆く方が正確だろう。そう思ったところで何の慰めにもならないが。

■どうしてこんな忙しいときに

 職場でも似たようなことはある。今週中の重要なタスクを抱えているときにシステムの障害が発生。調査と改修に労力を費やし、顧客への説明に予想以上の時間を取られる。潜在バグがあったのなら仕方がない(で済ましちゃいけないけど)。でもよりによって自分の担当箇所のバグだけが今日発覚するなんて運が悪い。どうしてこんな忙しいときに! どうして自分の担当箇所だけ?!

■科学で説明できないこと

 以前にある占い師のこんな話を読んだ覚えがある。

 科学ではいろいろな現象を説明できる。だけど苦手なことがある。例えば入試の当日に大雪が降って、スリップした車に衝突されて怪我をした。なぜこんな日に限って?、なぜ衝突されるのが自分なの? こういう疑問には科学は答えてくれない。そんなときに科学的でないもの、占いなどがヒントをくれるという。

 星の配置がこうなっているから、牡牛座のAB型の人は寅年生まれの運転手の赤い車にぶつけられるんだ。なるほどなるほど。納得、納得。

 とはいかないけれど、科学だけでは説明できないことがあるというのは解る。

■科学的でないものは偽りか

 現代社会では科学的なことが正しいこととされ、非科学的なことは偽りとされている。科学的根拠がないのに、ダイエットに効くと書いた食品を売ったら、不当表示や詐欺罪で罰せられる。実際にダイエットできた人がいても。

 古代のころは、病気になると祈祷師が呼ばれて魚の骨とかを使って治していたらしい。当時はそれが効果的だとされていた。そういったものは現代科学では当然ながら効果がないとされている。でもそれは本当か? 現在「科学的ではない」と言われていることも、今の科学で証明できないだけであって、100年後には科学的に証明されるかもしれない。魚の骨から分泌される物質がまじないの波長で活性化されてホルモンを刺激する、とか。

 あるいは1000年後には、 「昔の人は科学を信じてたんだって。バカだねえ!」 と、今の常識が覆され、科学者と祈祷師の地位が逆転しているかもしれない(?!)。

 エンジニアとしてITなどにどっぷり浸かっていると、科学的であることが常に正しいと思いがちだ。でも科学は万能じゃないんだよ、ということも忘れずにいたい。

 おっと、コラムなんかを書いている場合じゃなかった。風呂の修理屋に電話しなきゃ。

 abekkanでした。

 「大雪の日に風呂が故障 不運は科学的に説明できる?」

Comment(4)

コメント

ちけんち

うーん、言いたいことはわからなくもないのですが、
「科学的」の意味がとてもあいまいになっている気がします。

祈祷師の行為が「科学的ではない」という人(筆者も含めて)は、
「科学的」の意味を理解していないのではないでしょうか。

例えば、祈祷師の医療行為(?)について二重盲検法で効果があるかどうか調べて、
その上で効果がないと結論付けられれば、
「祈祷師の行為は意味がいないことを科学的に説明した」ことになります。
(あくまで説明であって、証明ではないですよ)
そういう前提があれば、「科学的でない」という批判は頷けます。

しかし、そういった前提もなしに、
祈祷師の行為を非科学的と批判するのは科学的ではありません。

育野

科学が万能でないのは事実,なぜなら適用できる条件が決まっていて,
必ず説明しきれない範囲があるから.

しかし,勘違いされがちだったり故意にそういう印象を与えられたりしているが
範囲外のことに全く手が出ないわけでも,科学的な方法が全然通用しないわけでもない.
そこは「まだ」科学的にはっきりしていないだけで,
科学に携わる人たちはその領域を狭める努力を続けている.

もう一つ勘違いされていることは,主流から外れた突飛な理論や結果は拒絶される,ということ.
最近のSTAP細胞の例でもわかるように,きちんと裏付けと再現性があれば受け入れられる.
逆に,受け入れられなくて「学会が~」とか「製薬会社の陰謀が~」とか言い訳してるのはイn(ry.

そうやって根拠を積み重ねて実際に起きている現象を説明しているのが今の科学であり,
新しい現象や発見を説明する理論を見つけだす方法もまた科学.
なので
>「昔の人は科学を信じてたんだって。バカだねえ!」
とはならないでしょう.

abekkan

> ちけんちさん

鋭いコメントをありがとうございます。

私が読んだ本の筆者は、「科学的でない」ことを批判的な言葉として使っていたのではありません。クールなのが科学で、ウェットなのが占い、と対比して使っていました。クールに考えるだけではいけないね、というのが筆者や私が言いたかったことです。

ちょっと説明不足でしたね(^_^;)。

abekkan

> 育野さん

丁寧なコメントをありがとうございます。

たしかに、科学は日々進歩していますから、今は科学的でないと思えることも変わってくるでしょう。

STAP細胞は分かりやすい例ですね。突飛な理論を納得させるために苦労したそうですし。

「昔の人は科学を信じてたんだって。バカだねえ!」とはきっとならないでしょうね。もしなったら「我々の科学に対する努力はなんだったんだ!」と、ショックをうけてしまいますね(笑)。

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