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従軍慰安婦発言から考えた、専門家として言うべきこと

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 「あらら、あんなこと言っちゃったよ!」

 従軍慰安婦は「当時は必要だった」という橋下氏の発言が世間を騒がせた。また発言で敵を作ってしまったようだ。これに関連して、立場と意見について考えてみた。

■2つの本音

 従軍慰安婦は当時は必要だった、という意見にあなたはどう応えるだろうか。私なら大勢の人の前では「良識のある人」として、「そんなことはない」と答えるだろう。だが、酒場で「性欲旺盛の肉食系男子」の一人(?)としての意見を聞かれた場合はちょっと変わってくるだろう。建前と本音というわけではない。どちらも本当に思うこと。自分の中に2つの立場があって2つの本音がある。だが、これでいいのだろうか?

■セキュリティ担当者の葛藤

 このサイトの読者の中にはセキュリィティ担当者もいるだろう。セキュリティ確保のためにパスワードは頻繁に変更してください、パスワードの使い回しはいけません、とユーザーに啓蒙しているはずだ。でも、自宅のパソコンでパスワードを使いまわしたりしていないだろうか? 面倒くさがっていないだろうか?(それとも私だけ?)

 セキュリティ担当として言っていることも正しいし、一般ユーザーとして面倒くさがるのももっともな心理だろう。

■立場が違うと言うことが違う

 システム開発の現場にはいろいろな専門家が集まっている。リーダーのAさんは納期重視で意見を言い、品質担当のBさんは品質重視の意見を言い、ベテランプログラマのCさんは処理速度重視の意見を言う。別々の立場からの意見が飛び交うと会議はなかなか収束しない。

 同じ人でも、出世して管理職になった途端に言うことが変わってしまう場合もある。部下から、「あの人は味方だと思ってたのに、会社の犬になってしまったか」なんて言われてしまうこともある。

■専門家の立場で意見が言えることが大事

 昔、私が大学生になったときのこと。入学式でこんなことを言われた。

 「大学では専門家としてのモノの見方を身につけてください。法学部なら法律的な見方、経済学部なら経済的な見方、化学科なら化学的な見方を。社会はそれぞれの専門家としてのモノの見方ができる人が社会に求められています。」 この話は印象に残ったのでよく覚えている。

 それと同じで、前述のシステム開発の現場でも、管理職に出世した人も、それぞれの立場としての意見を言うことは正しい。1人の中に立場が違う2つの本音がある場合もある。2つの専門分野に秀でていたら2つの違った意見を持つべきなのだから。

 専門家としての立場で意見が言えることはIT技術者のスキルの1つだ。ぜひ言えるようになっておきたい。そして、異なる専門家の意見に揉まれることによって、いい会社やシステムが育っていく(はずだ)。 

 「で、肉食系の専門家としての意見はどうなのよ?」

 いやいや、ここでの私の専門はIT系ということになっているので、肉食系の発言は控えさせていただきます(^_^;)。

 abekkanでした。

Comment(11)

コメント

話の前提がおかしいと思います

まず橋本氏は先週末までにテレビなどに
積極的に出演して発言の趣旨を詳しく
説明して納得を得ており(訂正謝罪なしに)、
味方が増えているのではないでしょうか

それより良識はともかく常識ある日本人として
従軍慰安婦は認めないといけないと
思います
(当時は必要と認められていたから、
そのような施設が存在したわけです)

そうしないと日本の謝罪の前提がなくなります


その上で、証拠がないのに日本が国として
拉致連行強制をしていたとして不当に
評価されているのを抗議しようという彼の発言を

「当時は必要だった」という文の途中のみ
取り出してネタにするのは、著者の
情報収集能力が足りないように思います

私は別に橋本氏の味方ではありませんが、
適当な引用と、それを前提にした文章は
IT関係者として恥ずかしいと思います

橋本氏最初の発言の書き起こしを紹介しますし
彼の会見はすべて動画で公開されてます

まず1次情報で確認されたらいかがでしょうか

相模原真

で、戦時売春婦とセキュリティーにどんな関係があるんですか?

>t2 さん

 橋下氏の発言の記事はいくつも読みました。その中の見出しに「『当時は必要だった』と述べた」というものがあり、その部分を使いました。選択が適切ではなかったかもしれません。

 また、橋下氏の発言の是非をこのコラムで書きたかったわけではありません。冒頭の、「立場と意見について考えてみた」のきっかけとして挙げました。ご理解ください。

 ご意見をありがとうございました。今後書くときには情報収集に気をつけたいと思います。

>相模原真さん

 直接関係はありません。「2つの立場があって2つの本音がある」ところが共通点だということで話をつなぎました。分かりにくかったでしょうかね。今後はより分かりやすい文章を書きたいと思います。

 コメントありがとうございました。

t2

普通に考えて、国政政党の党首にあたる
ような人が従軍慰安婦を容認する
発言をされると思われたのでしょうか

興味がなければそれまでですが、
題材にするのなら調べる案件かと
私は思います


橋本氏は終始一貫して慰安婦を否定していますから、
abekkanさんは本音は、橋本氏の発言を非、
従軍慰安婦を是と取られかねません


橋下氏の発言の是非ではないとして
本音と建前論としても、橋本氏は政治家としては珍しく、
立場と意見と発言が一致していぶれてないと思います
(発言内容の是非はともかく)

前回も書いたように、話の前提に齟齬があるように思います

どこに「2つの立場があって2つの本音がある」のか
次回の題材でも結構ですので説明
していただけないでしょうか

イクバール

ブーメラン?
それとも炎上マーケ?

>t2さん

 橋下氏は、「当時は」とか「無理やり連れてこられたのでないとしたら」とかいろいろな前提の上で意見を言っています。ですが、記事にされたときにその前提の部分が飛んでしまってより多くの反感を買ったのかと思います。

 私も従軍慰安婦についての意見を述べるとしたら、もしこうだったとしたら、という前提をつけて長々と書くことになります。でも序論を長くするとあとの本論がかすれてしまうので短く切り上げました。

 また、「2つの立場と2つの本音」は、その後のセキュリティ担当や管理職の例で言い換えているつもりです。その中の1つでも読者にピンとくるものがあれば(正しいかは別として)結論までの流れは理解してもらえるかと思っています。

 私のコラムには考慮不足や下手な言い回しも多々あると思います。徐々にいいコラムを書けるようにしていきたいと思っていますのでご理解ください。

 ご意見、ありがとうございました。(^^)

Anubis

t2さんの内容の確かさは認めますが、"従軍慰安婦"のインパクトだけで話を膨らませていませんか?
abekkan さんも「今後書くときには情報収集に気をつけたいと思います。」と書いています。

確かに、今回のテーマは扱いずらかったのかっもしれません。つかみは滑った感がありますが、内容は大きくずれている訳でもないと思います。また、いろいろな視点から見たコラムにチャレンジする姿勢は素晴らしいです。

次回はどういうテーマで挑んでくるか、楽しみにしております。

>Anubisさん

コメントありがとうございます。

>つかみは滑った感がありますが、

あっ、やっぱり(^_^;)

私もコラム書くのが「朝飯前」になるといいんですが(笑)。

返信が遅れました、週末なのでちゃんとパソコンから書きます

橋下氏は前提なく単純に言ってます
「昔も今も従軍慰安婦はよくない」と


従軍慰安婦から離れて本音の話を書きます

abekkanさんはコラム内で読者へ本音を尋ねてますが、

前提は今の基準か、戦時中当時なのか、
また個人としてなのか、組織としてか悩んでしまいました

私は当時の教育や価値観に暗いので、現代に限ったとしても

私は性欲が強い方だと思ってますが、物理的に出すだけでは
満足できないと思います(精神的な慰安も欲するため)

病的リスクを考えたり、戦場でリソースが不足しているの
ならTENGA等が手軽かとも思います

組織として考えてみても、現代の趣向は百花繚乱ですし、
女性の従軍、男女とものホモセクシャリティを考えると

単純な慰安婦では賄いきれず、少なくとも米軍兵を含めて
ほとんどの人間が性犯罪を起こさないところより

単純に穴をあてがう発想は一般的でないと思います


また最近僚誌にこのような記事がありました(URI参照)

確かにパスワード作成や管理は手間ですが、それで守る
情報の価値や自分の責任を考えると面倒とは思えません


会議にしても利害の対立はあっても、意見が収束しない
のは想像しにくい状況です


abekkan さんは真摯に返信していただき真面目な方で、
本音で思われた事を書かれたのでしょうし

私の経験不足があるのかも知れません

でも私にとっては珍しく起承がちんぷんかんぷんだった
ので書かせていただきました

もう話は収束してると思います
次回のコラムを期待します
失礼しました

しかし、他にも方法はある。例えばアーケイド・、マジソン・チケットを買った本人でないと入れないシステムを導入するとか。

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