いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

君のスキルが上がらないのは環境のせい

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環境の影響もでかい

こんなタイトルでコラムを書いたら「ふざけるな」と血相かえて言われそうだ。ふざけてますから気にしないでください。今更怒るほどのことでもないだろう。あなたのスキルが低いのはあなたのせいではない。環境のせいだ。ただ、隣に座ってる人のせいではない。あくまで環境のせいだ。

そもそも、なんでスキルの高い低いの要因を全て個人の努力と考えるのだろう。答えは簡単だ。周りの人がみんなそう考えているからだ。もし、あなたがアメリカに行ってエンジニアとして華々しく成果を出したら、アメリカの人はこういうだろう。「今まで成果が出なかったのは、日本という環境が悪かったんだな。」

実際のところ、スキルというのはいろいろな要因で成り立っている。個人の努力は大きな要素ではある。しかし、決定打が運ということもある。自分の好きになれる技術に出会えたというなら、それは運という要素の結果かもしれない。あなたを育ててくれる環境だったかもしれない。

自分が成長できた場合、「良い環境に恵まれた」ということはあっても、「オレが頑張ったからだ」とはなかなか言わない。口に出したら、周りの人に感謝しない人という印象を受けるかもしれない。良い影響は肯定して、悪い影響は否定する。これでは、どこぞの性格の悪い人と同じ基準の思考だ。

悪いものは悪いと言っていい

毎日夜中の十時まで残業で、帰ったらヘトヘトで勉強する時間もない。質問すれば「ググれカス」、進捗進捗と急かされるばかりで、無駄な会議が満載。こんな環境でスキルなど伸びるはずもなかろう。日本がITで世界に太刀打ちするには、まず、こういう環境を否定しよう。

実際、外国の人は否定する。給料やすかったり労働環境が悪ければストライキやらデモをやる。そういう、日本人がドン引きするような奴らの方が、ITで先を行っていたり、人生を謳歌していたりする。さて、どうしたものだろうか。

自分がやってきた事を客観的なデータで分析して、自分のスキルアップに関連したものが、何の要因が何パーセント、どういうきっかけが今の結果をもたらしたのか明確にデータにできればいいが、それは不可能だ。ある程度、主観で考えざるを得ない。

ただ、自分が感じたものに素直になるというのは大事だと思う。理論性を求めるなら否定されるかもしれないが、納得を求めるならそれもありだ。実際、人をより強く動かすのは理論より納得だ。悪いと感じたなら、悪いと主張してもいい。間違えていたなら、また考え直せばいい。

環境の及ぼす力

知っている人が知らない人十人に説明するとしよう。普通なら、知ってるなら何人に説明するのであれ、難易度は変わらないと考えるだろう。しかし、実際は状況により難易度は大きく変わる。また、説明するにしても、ただ知っているだけでなく、深く知っていないと反論が来たときに答えられない。

間違えた知識を確信している十人に対して、正しい知識を知ってるだけの人が説得を試みたらどうなるだろうか。たいがいは十人に袋叩きにあって、逆に説得される。そして間違えた知識を正しい知識と認識するようになってしまう。これが環境が及ぼす力だ。

人間の性質として、考えなければ多数決、もしくはその場の雰囲気で判断を下す。理論の優先度は思うよりも低い。理論的に正しいだけでは、説得する上で何の力にもならない。多数決を覆すだけの力がなければ説得はできない。

日本人がExcel方眼紙でドキュメントを書くのもそのせいだ。アメリカに行って「なんだ、このクソドキュメントは」と怒られたら、現地でExcel方眼紙で書くことはないだろう。そして日本に帰ってきたら、何事もなかったかのようにExcel方眼紙でドキュメントを書くことだろう。そんなものだ。

環境の影響力を利用してスキルを上げる

極端な事を言うなら、スキルの低い人たちと一緒にいると自分もスキルが低くなる。スキルの低い人と考え方が同調するからだ。スキルアップしたければ、そういう人たちと距離を置くようにしよう。まず、影響を絶つことで、スキルの低下する考え方から離れよう。

そして、スキルの高い人たちと一緒にいるようにしよう。スキルの高い人たちの考え方と同調していくのだ。スキルの低い人の影響を絶ち、スキルの高い人たちの考え方に同調していくことで、スキルの高い人と同じ考え方ができるようになってくる。

努力云々もあると思うが、そもそも自分の考え方を根本から変えないと努力なんて継続できない。スキルの高い人と同調するにしても、自分がスキルの低い人の考え方に染まりきっていたら、非常につまらないと感じてしまうことだろう。同調しようとすること自体、努力として成り立つ。

スキルを高めたければ、転職というのは非常にいい手段だと思う。多くの考え方を知ることができるからだ。いろいろな考え方を知っていれば比較ができる。データとして蓄えて分析すれば、自分に合ったスキルアップの手段が見えてくる。

スキルアップを目指すなら、より多くの環境に身を投じてみよう。何もIT界隈だけとは限らない。世の中には素晴らしい考え方を持った人はたくさんいる。そういう人に多く会い、多くの影響を受けることでスキルアップができるようになることだろう。

Comment(3)

コメント

仲澤@失業者

名文です。
何かあったのでしょうか。かえって心配になってしまいました。

Anubis

> 仲澤 様
コメントありがとうございます。


・・・心配されてしまった。確かにあるにはありました。

Mc

>日本人がExcel方眼紙でドキュメントを書くのもそのせいだ。アメリカに行って「なんだ、このクソドキュメントは」と怒られたら、現地でExcel方眼紙で書くことはないだろう。そして日本に帰ってきたら、何事もなかったかのようにExcel方眼紙でドキュメントを書くことだろう。そんなものだ。


名文過ぎる。
何か既存の仕組みを変えようとするととりあえず叩く人が一定いるのは本当にやめて欲しい。
そりゃ思考停止もするってもんです。

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