いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

「媚を売るのはなぜ悪い?」への返答

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■媚びを売るのはなぜ悪いか

 媚びと辞書で調べてみると、「気に入られるように振る舞う。相手の機嫌をとる。」と出ていた。二番目の意味が、「女が男の気をひくために,なまめかしい態度をとる。」と出ていた。

 個人的には二番目は歓迎だ。鼻息を荒くして待つ。ただ、これを仕事でやられたら、職場の風紀的に問題が生じるだろう。昼のオフィスで「うっふん♪」「あっはーん♪」やられたら、仕事にならないだろう。媚びを売るのがなぜ悪い理由の一つが「職場の風紀がみだれるから」と言える。

 一番目の意味「気に入られるように振る舞う。相手の機嫌をとる。」の理由が重要になる。フィーリングだけで判断する人がいるから媚を売る必要がでてくる。媚を売るという行動より、そういう人がいることが問題だ。

 媚に頼ると、判断基準がフィーリングになる。事実が正確に見えなくなるので、当然、ミスやらトラブルが増える。媚を売るというのは、フィーリングで判断するような人を肯定することになる。これが媚を売るのが悪い理由だ。

■媚びると偏る

 「人に好かれたり、気持ち良く仕事できるようになるのはだいじじゃないか!」という反論が来るかもしれない。だったら、スッパリ問題解決してみんな笑顔で定時退社しろ。その方がよっぽど気持ち良く仕事できる。余裕も生まれるので、人間関係もこじれにくくなる。

 そもそも媚びる人に問いたい。誰からも好かれるように振舞っているか?誰もが気持ち良く仕事できるように振舞っているか?どちらもNoだろう。「特定の人が」という条件が付いてくる。

 媚を売ると、特定の人だけを優遇することになる。そこで当然、人間関係に軋轢が生じたり、行動に歪みが出てくる。現場で完璧にこなせたとしても、家庭で歪みがでたりする。偏るから問題が生じるのだ。

 もし媚を売りたいなら、誰からも好かれるくらい魅力的で、誰にも気配りのできる人を目指そう。そうすれば言ってる事の筋は通るようになる。いろいろ大変とは思うが、自身も幸せになれると思う。

■媚の売り方

 媚も買う人がいるから売る人がいる。需要と供給がある。人間関係を気にする人は、無意識にそれを理解している。そして、そのバランスを取ろうとする。ただ、このバランスだけ保っても意味がない。当人同士が仲良くなるだけで終わる。成果をえるには別のアクションが必要だからだ。

 媚は商品だ。売るなら良質な媚を売ろう。媚を売るのに、過大解釈や嘘を言ってはいけない。事実を元にした適切な内容で相手の心を掴め。そして、必ず問題解決とセットで売ろう。これが媚の品質だ。

 媚はパッケージだ。パッケージだけ豪華で、中身がスカスカだったら、当然相手は怒るだろう。それでも喜んでいるなら、相手は中身を見ていないことになる。パッケージから入る人もいるので、媚は絶対ダメとは言えない。ただ、必ず中身には良質の問題解決は用意しよう。

■媚の過剰要求

 媚を売る時点で力尽きるビジネスマンは多い。競争が激化すれば、当然、豪華なパッケージが求められる。ただ、求められるパッケージが豪華過ぎて、パッケージを用意した時点で力尽きる。契約は取ってきたが、プランは無し。そういう現象が起きる。

 人に好かれるだけの要素がない人は、媚を売るしかやり方が無い。だからと言って、人に好かれるだけの要素を育てる訳でもない。そもそも、どうやって人に好かれるかと考えたところで、媚を売るくらいしか発想が浮かばない人も多い。

 結局、媚を売るしか手段が無くなってはいまいか。そういう人に「媚を売るのは悪い」と言っても追い詰めるだけだ。曖昧な結論になるが、媚を売るのを否定するより、人間的な成長を促す方が有効なように思える。

 一番いいのは媚を売らなくても人から好かれるようになることだ。ただ、そうなるのは難しい。地道な積み重ねが必要だ。どんな積み重ねが必要かと言えば、手塚さんのコラムの終わりの方で書かれている、地道な訓練だと思う。

 ものの見方やとっかかりは違うが、同じ結論に達した。いろいろと共感できたので返答を書いてみた。いや、問われると答えたくなる性分なもんなんで・・・。

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