いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

ITという名のホラー

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■君は常識を超えた存在を見たことがあるか

 夏ですね。怪談の季節ですね。そんでもって、幽霊です。あなたは幽霊見たことありますか?私は一回はっきり見た事があります。

 夏ですね。怪奇現象の季節ですね。そんでもってUFOです。あなたはUFO見たことありますか?私は一回はっきり見たことがあります。

 で、幽霊を見たにしても、UFOを見たとしてもこの際どうでもいい。道端で子猫を見かけたレベルの話だ。重要なのは、もし見た時にどう振る舞うかだ。それがエンジニアの資質を決める。幽霊やらUFOの正体がどうとか関係無い。パニックにならずに対応できたか?センセーショナルだからといって思考が暴走していないか?そこが重要だ。

 私が幽霊を見た時は、きちんと冷静に振る舞ったら消えてくれた。UFOを見た時は、きちんと状況を確認して別の角度からも飛んでいる事を確認した。未知のものに遭遇しても、適切に状況を把握して対応する必要がある。未知と遭遇した時にパニックになるから、こういったものがオカルトとして、好き放題な想像が乗っかって伝わるのだ。

■IT業界にはホラーがあふれている。

 ITの現場には、幽霊やUFOより現実的な正体不明な存在がうごめいている。そんな現代を予想したのだろうか。ITというホラー映画が公開されている。この映画に出てくるキラーピエロを見ると、某プロジェクトのプロジェクト・マネージャーの顔がダブる。

 このキラーピエロだが、いろんなところから現れる。これが、現代社会であらゆるところにITが絡んでいる事を示唆しているように思う。そして、優しい笑顔で近づいて、突然豹変して恐怖をばらまいていく。これは、ITを安易に考えて、トラウマを植え付けられるプロジェクトを示唆しているように思う。

 この映画の怖さは、キラーピエロという存在にある。何を考えているのか分からないという恐怖感が強烈に伝わってくる。ITに疎い人にとっては、このキラーピエロのような恐怖感をITから感じるのかもしれない。”分からない”というのは、案外恐怖の原因として大きいものかもしれない。

■未知への対応

 失敗するプロジェクトでは、ホラー映画で真っ先に消されそうなタイプの人が重要なポストにいることが多い。頭が硬い人だったり、失敗を極度に恐れる、利権に目が眩む、そういうタイプの人だ。映画ではこういう人が真っ先に消されて、主人公は無事脱出・・・、みたいな展開も期待できるが、現実ではプロジェクト全体で撃沈する。

 こういう真っ先に消されそうなタイプというのは、要するに未知に対しての対応力の低い人だ。未知への対応力は単に知識や経験だけでは補えない部分だ。プロジェクトをやっていても必ず未知なものは出てくる。なので、プロジェクトを成功させるためには、未知への対応力が必要なのだ。

■未知という名の恐怖に立ち向かうには

 結局のところ、未知なものを解決しようと思えば、挑むことが求められる。未知という事象に対しては、意外とお金や権力は役に立たない。人脈を駆使したり、自分で知ろうとしないと解決はしない。もしくはリスクを覚悟して行動することだろうか。

 未知というのは怖い。なので、曖昧にごまかされたり、無かったものとして隠されるケースも多い。無いものとして否定すれば、一時の安定は得られる。だが、問題を根本的に解決するには立ち向かうしかない。ベタな結論として、未知に対応するには勇気が必要だということだ。勇気がなければ、真っ向から問題を直視するのは難しい。

 勇気というと、技術と何ら関係ないと思うかもしれない。言ってる私自身も実はピント来てないところもある。ただ、自分が未熟だと認める事にも勇気は要る。過ちを認めるにも勇気は要る。こういう一歩を踏み出して、新しい発想を得た経験は幾度かある。プロジェクトを成功させるには、技術だけでなく勇気も必要なのかもしれない。

Comment(2)

コメント

nsh1960

ITホラー話らしく実態を具体的に語らない要件定義前のホラーでよかったと思います。これが別のフェーズだったらと思うと……

Anubis

> nsh1960

コメントありがとうございまず。

> ITホラー話らしく実態を具体的に語らない要件定義前のホラーでよかったと思います。これが別のフェーズだったらと思うと……

それは私には書けないですね。そういう理不尽が普通に通りすぎて、憤りは感じるが恐怖は感じなくなりました。

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