いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

実力のかたち

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■仕事できる人には2通りある

 仕事ができる。と漠然と言われるが、大きく分けて2つのタイプがある。同じ仕事を続けて慣れている人。ものすごく頭の良い人。この2つだ。どっちが良い、どっちが悪いというものでもない。ただ、仕事のできる人を目指すなら、この2つのタイプの違いはしっかり認識しておくべきだ。

 同じ仕事を繰り返すことで練度が上がり、柔軟に対応できる、作業の効率が良い。こういう人が、慣れで成果を出すタイプの人だ。人よりズバ抜けて思考力が高く、斬新なアイディアが出せたり、異様にスキルが高い。そういう人が天才タイプだ。仕事ができる人には、この2つのタイプがある。

■慣れで結果を出すタイプ

 まず、特別才能を持ち備えてなくてもなれるのがこのタイプだ。天性の資質が問われないので、努力すれば大概の人には実現できる。

 このタイプをめざすなら、できるだけ同じ会社に留まる方が有利だ。転職するにしても、できるだけ業務内容が似たものを選ぶと良い。エンジニアというと、新しいものにすぐ順応、幅広く対応できれば優秀という風潮があるが、流されてはいけない。

 ただ注意すべきは、このタイプは仕事はできるようになっても、特異な能力や、ずば抜けた能力がある訳ではない。高くないリソースを経験でうまく回しているからだ。仕事ができる → 能力が高い というフローで思考を間違えると、思わぬ落とし穴にはまる。

■天才タイプ

 斬新な発想が出る、異様にスキルが高い、特異な能力がある。そういう人がこのタイプに分類できる。ただ頭が良いのではない。神がかっているレベルの人のことだ。このタイプになろうと思えば、天性の資質や多大な努力が求められる。これを目指して幸せになれる人は限られていると思う。

 俗に言う、一人で百人の効率を叩き出す人というやつだ。そういうと聞こえがいいが、実際はその価値を理解されるまでに、多大な苦労を要する。変人レベルで技術が好き、というくらいでなければ、ここまで辿りつけない。

 ただ、ものすごく頭の良い人は動き方が独特だ。自分の特異性が武器なので、当然そうなる。身近な例でいけば、某美人編集者もそのタイプだ。ずば抜けた親しみ易さで活躍しているが、ハッキリ言って変人だ。もう一度繰り返す。ハッキリ言って変態だ。なろうと思ってなれるものではない。

■実情と理想

 世の中は、天才タイプの人ばかりを望む。それが仕事のできる人だと言う。だが、実際に成果を上げている人の大半が、慣れで結果を出すタイプの人だ。というか、天才タイプの人は、かなり少数派だ。しかも、変人揃いで扱いが難しい。仕事で成果を上げていたとしても、普通の人の観念からかけ離れている。

 お客さんやら上司やら、いろんな人に挟まれながら、帳尻合わせてヒーヒー言いながら目標を地道にクリアしていく。余裕があるかといえば、むしろ無い。やりたくない残業を渋々こなしながら、しんどいなーとぼやきながら、成果を積み上げていく。夕飯は会社の机に備蓄してるカップラーメン。実際に会社を支えている仕事のできる人はこんな感じだ。

 一般にイメージされる仕事のできる人とは、明るくて清潔。しかも天才。気配りが完璧で余裕綽々。夜はオシャレなバーで、ワイン片手に美女と談笑。そんな感じだろう。それを実現しようと努力しても、高望み過ぎて実現できない人がほとんどだ。そんな漫画みたいな人物像を目指さずに現実を見よう。

 そんなことで、スキルやらキャリアやらの話を聞いていて、イメージと実像に差があると感じる。大人って夢がないと言われるが、意外と夢見てる人は多いのではなかろうか。現実と乖離した希望を夢と言うなら、今、世界は夢で溢れているのかもしれない。

Comment(2)

コメント

アラファイブ

最近は第三の(擬似的)タイプが多いように思います。それは、慣れで結果を出すタイプなのに、周りの人間が天才タイプだとはやし立てて、数年でつぶしてしまうケースです。

特に新卒で、ワーカー(プログラマ)になろうという奇特な(?)人間に対して、あぶれまくっているプロジェクトリーダーがそうしている事が多いです。

そして、プロジェクトリーダーはそれでも、発注や要件確認とか固有のスキルを身につけているのでやっていけるでしょうけど、ワーカー(プログラマ)のまま、なんとか生き残った人が、まわりから天才タイプとして潰されない為、後輩をさらに天才だと持ち上げて、急加速的に潰してしまうケースは、発注者の意向とかを得ず、予算の裏付けを得ずに他人を使い潰す訳ですから、さらに困ります。

IT業界の様に、ワーカーであっても知的な要素が含まれる所で、天才タイプというのは本当にあり得るものなのでしょうか?

Anubis

> アラファイブ さん

どうも、Anubisです。

私としては、世の中の99.9%は慣れで結果を出すタイプですね。
コメントに頂いた状況も、
慣れで結果を出すタイプの人同士でのやり取りと思います。

で、具体的に天才タイプってどういう人かというと、
Googleとかで軽々と結果を出したり、Rubyみたいな言語を作っちゃうような人だ。
高すぎる実力がゆえに、能力を発揮できる環境もかなり限られる。
なので、普通に生きていても、なかなかお目にかかる事も無いと思う。

GoogleやらYahooが安定稼働してたり、
Rubyの新しいバージョンが定期的に出てるので、
私たちの見えないところで、天才タイプは活躍していると思います。

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